futurism -未来志向-

遠くない将来・・・

  •  2018年03月09日 11:30

東北大学病院薬剤部 小原 拓

 数年前のこと。サッカー女子ワールドカップ準決勝 日本vs.スウェーデン戦を見ていた。日本代表のFWがスウェーデン代表のDF 2人に体を寄せられつつもボールをキープしているのを見て、親子並みに体格が違うなあと感じた。そこで思い出したのは、スウェーデン人妊婦における妊娠中の向精神薬使用と先天奇形などとの関連についての論文。スウェーデン人妊婦における結果を、日本人妊婦に当てはめてよいのだろうか。周産期領域に携わる薬剤師として、妊婦または妊娠を考えている女性に適切な情報提供ができているだろうか。日本人のエビデンスにこだわる必要はないという意見もきく。しかし、日本人妊婦におけるエビデンスは本当に必要ないのだろうか、創出できないのだろうか...。

 周産期領域を舞台とするドラマが放映され、興味深く見ていたが、薬剤師の姿はどこにもない。薬学領域では薬剤師による病棟業務や薬剤師外来が広く認識されるようになった。しかし、一般にはまだまだ認識されていないのだろう。

 実際には、目の前の患者の役に立っている薬剤師は数多くいる。しかし、そのことが広く認識されず、結果的に恩恵を得られていない患者がいるとしたら...。われわれ薬剤師がさらに患者・社会に貢献するためには、自身の価値をより高め、積極的に発信していく必要があることは間違いない。日本人妊婦におけるエビデンスのように、業務から見えてきたクリニカルクエスチョンに対して調査・研究し、ある一定の質を持って発信することもその1つの形といえるだろう。

 以前、50年後の医療界を舞台に、薬剤師を主役とする映画製作の企画があり、取材を受けたことがある。結果的に映画という形ではなくなってしまった(私がモデルというわけではないが、私のコメントが魅力的でなかったことは明らかだ...)。遠くない将来、薬剤師を主役とするドラマが放映されることを期待したい。