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【読者の質問】カナダの調剤手数料について

2018年03月12日 13:00

 こんにちは。カナダの薬剤師事情を紹介している青山です。

 今回は、「カナダでの調剤報酬はどうなっている」の記事に読者からの質問がありましたので、それに答えてみようと思います。

Q.「調剤にかかる手数料(Dispensing Fee)が、一薬剤につき約10ドル(2薬剤だと20ドル)とのことですが、上限はあるのでしょうか?日本で多剤併用が多いとしても、3薬剤、4薬剤以上と積み重なれば日本よりもカナダの報酬が高くなるのではと思いました。」

 ご質問、ありがとうございました。

 調剤にかかる手数料の上限は、基本的にありません。したがって、単純に投薬した薬剤の数×10ドル分の手数料が毎投薬時にかかります。

例)
メトホルミン 100日分
アトルバスタチン 100日分
ラミプリル 100日分

 この場合、投薬した薬剤の数(3薬剤) ×1薬剤毎の手数料(10ドル) = 30ドルとなります。したがって、多剤併用になれば、その分手数料は高くなっていきます。

 また、このルールでは、薬局側が分割調剤を頻繁に行うことで患者に余計な手数料を支払わせることが可能なため、分割調剤時のみ手数料の上限が設定されています。分割調剤時の手数料の上限は以下の通りです。分割調剤の投薬日数に基づいて決められており、またその必要性を明記した書類提出が必要になります。

1)1日分ごと:1日あたり3薬剤まで
2)2~27日分ごと:1日あたり5薬剤まで
3)28日分以上:上限なし

 カナダでは、1回の投薬で保険適用となる日数が最大100日間であることから、慢性疾患に対して3カ月ごとに処方されることが多いです。そのため、上記のような分割調剤のケースは少ないと言えますが、アドヒアランス不良の一部の患者に対して、分割調剤を実施することがあります。

 また、分割調剤において実施しているのが、主にブリスターパック(いわゆるカナダでの一包化)です。BC州では一包化のための特別な技術料がないため、薬局が分割調剤でブリスターパックを作成することにより、その時にかかるDispensing Feeが薬局の利益になります。

aoyamashi7_2_4.jpgカナダのブリスターパック

【コラムコンセプト】

薬剤師を取り巻く環境は日本と海外で違う。しかし、やっていることは本質的には同じ。患者のために薬を調剤し、鑑査し、投薬 (服薬指導) する。そして、その薬物療法を評価し、医師や他の医療従事者とより良い治療方法を再考していくこと。カナダの薬剤師事情を紹介しながら、日本での業務に取り入れられる方法を考えるコラム。

【プロフィール】プロフィール写真.jpg

1986年生まれ。名城大学薬学部卒。日本の病院薬剤師、調剤薬局、ドラッグストアで勤務した後、カナダへ留学。スプラットショーカレッジの薬剤師アシスタントプログラムを介し、Loblow pharmacyでインターン研修。2015年ブリティッシュコロンビア大学(UBC) CP3コース終了後、2016年カナダ薬剤師免許の取得。

blog: SHAWN'S WORLD
Twitter:@shinshinskysky

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