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薬剤師が押さえておきたい健康トピックス(2018年3月前半)

2018年03月15日 10:00

3月1日~15日に各メディアで配信された健康情報のうち、「コレは押さえておきたい!」と考えたものを、独断と偏見でリストアップします。患者さんからの突然の質問に困らないよう、情報収集の一手として役立てていただけると幸いです。

HPVワクチンと接種後に報告されている症状は関係ない 名古屋市7万人調査が論文として世界に発信

https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/nagoyastudy-sadaosuzuki

BuzzFeed NEWS 3月1日

有効性・安全性を示す報告が増えるなか、国の対応が待たれています。しかし様々な立場からの情報が交錯し、科学的な解明だけで済む問題ではなくなっています。医療従事者ですら不確かな情報に惑わされてしまうことが少なくありません。公衆衛生を司る薬剤師として、率先して正確な情報収集と問題の把握に努めてください。

原著:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29481964

(関連記事)原著を解説!
『HPVワクチン接種によるものとされた"24症状"とHPVワクチン接種には関連性がない
Papillomavirus Researchにアクセプトされた名古屋市子宮頸がん予防接種調査結果』

エイズは「死に至る病」 52.1%、過半数誤解

https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20180305-OYTET50012/

読売新聞 3月5日

内閣府の世論調査によると、調査対象の半数以上がエイズについて「死に至る病」と、30%以上が「原因不明で治療法がない」と回答。エイズに関する誤解が回答の上位を占めていたということです。 エイズは早期に発見し、治療を受ければ、普通の生活を送ることができる病気です。保健所で、匿名のHIV検査が無料で受けられることも、広く知ってもらいたい情報です。

幼稚園に薬剤師不在60年? 京都・福知山市、義務知らず

http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20180308000192

京都新聞 3月8日

京都府福知山市の幼稚園で、薬剤師が配置されておらず、教室の環境衛生(清潔さ・明るさ・温度・湿度など)に対する指導・検査が行われていなかったと報道されました。学校薬剤師の活動はまだ世間一般への認知度が高いとは言えませんが、衛生管理のほかにも、薬の正しい使い方や予防接種の大切さ、危険薬物・ドーピング・タバコ・アルコールなどに関する保健指導を行うといった任務を請け負っています。これらの教育を受けられることは、子どもにとって、非常に重要です。

<回顧3.11焦点>薬の備蓄ミスマッチ 災害時は外傷想定→実際は高血圧など慢性疾患用が不足

http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201803/20180311_13061.html

河北新報 3月11日

2011年3月11日の震災直後に、東北の医薬品卸を取材した記事を振り返っています。震災以前は、災害に備えて主に包帯や傷薬・解熱剤などの備蓄を増やしていましたが、実際に不足したのは慢性疾患の薬でした。この経験を基に、備蓄品目の見直しに着手されています。

被災地では冷所保存の方法が限られる(電気がない)、粉薬やシロップ剤は扱いにくい(匙や容器がない)といった問題も発生するため、備蓄した薬を確実に患者のもとに届ける手段も一緒に考えておく必要があります。

※テレビで放送される健康番組は、こちらで予め確認することができます。
「健康テレビ番組」先取り表(3/15~/19)

【コラムコンセプト】
TV・新聞・週刊誌・インターネット......毎日さまざまなメディアから大量の健康情報が配信されます。それを見た患者さんが「こんな情報を見たけれど、私の治療って大丈夫?」と聞いてきたらどうしますか?医療や薬に関する情報は、命に関わるもの。正確さ、専門性が求められます。薬剤師は薬の専門家として、患者さんの持ち込んだ情報が適切かどうかを判断し、対応しなければなりません。このコラムでは毎月、世間を賑わした健康情報をリストアップし、必要に応じて解説します。患者さんからの突然の質問に困らないよう、情報収集の一手として役立てて頂ければ幸いです。

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【児島 悠史氏 プロフィール】
京都薬科大学大学院修了後、薬局薬剤師として活動。「誤解や偏見によって生まれる悲劇を、正しい情報提供と教育によって防ぎたい」という理念のもと、日々の服薬指導のほか、Webサイト「お薬Q&A~Fizz Drug Information」を運営。医学論文などを情報源とした信頼性のある医療情報や、国民の情報リテラシー向上を目的とする記事を配信。近著は、「薬局ですぐに役立つ薬の比較と使い分け100」。

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