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「この薬局で働きたい!」僕の薬局の仲間は、なぜ口を揃えてそう言うのか?

アツい薬局をつくったる!#2 神田佳典 絵・ぺお

2018年05月07日 08:00

 まいど!薬局の管理薬剤師けいしゅけ(@keisyukeblog)です。

 突然ですが、好きな歌手はいますか?

 大好きな歌手の音源を買い漁った。お気に入りの曲を何百回も聴いた。全国ツアーのチケットを買ってあちこちの会場を巡って盛り上がった etc... 多かれ少なかれ、好きな歌手のために時間やお金、労力をかけた経験があるかと思います。その理由とは何でしょうか?

「好き」やから。

 これに尽きると僕は思います。好きなものやったら何でもいいんです。書籍やゲーム、その他、何でも同じですわ。

「好きである」という感情は大きなエネルギーを生み、人を突き動かす。これには多くの方に同意していただけるのではないでしょうか。

 僕の薬局では、薬剤師・事務を問わずスタッフみんなが声を揃えて「この店舗が好きです。この店舗のことが好きだから〜!」と言います(ん?なんかこんなフレーズのCMが昔あった気がする?気のせいですわ、気のせいっ!)。

 管理薬剤師として、スタッフからのこうした声ほど嬉しいものはありません。いったい何が「この店舗が好きやっ!」と思わせるのでしょう?結論から行きましょう!僕の薬局で実践しているのは次のことです。

  • お互いに思うことがあるなら些細なことでも言おう。ただし、ケンカをするつもりがない!と宣言してから
  • 「つまらなくはない」「嫌いじゃない」マイナス感情のない職場に持ち込む
  • お菓子を置いて気楽に話せる環境をつくる。「楽しい」場所ならみんな「好き」

876320_fire.jpg職場が好き=職場の人が好き?

 退職・転職原因の1つとして「人間関係」が挙げられます。誰もが身近なところでそんな話を聞いたことがあるのではないでしょうか。心理学者アドラーによると「人間の悩みは全て対人関係の悩みである」とのこと。これは自分以外の誰かの存在があるからこそ、人は誰かと自分との比較や承認欲求が生まれ、結果として悩むのだ、という意味だそうです。

 何が言いたいか。それは「職場が好き」とは「職場の人が好き(少なくとも嫌いではない)」と言い換えられるということです。

 とはいえ、正直に申し上げて、僕の職場においても、全員がお互いにムッチャ仲良しっ♪なんてことはありません。というか、ありえません。仕事に対するスタンスや人生哲学、生活環境、これまでの人生経験が違うもの同士ですもの。相容れないことなんてメッチャあるんです。そやのに、スタッフ間での揉め事によって職場が荒れる...なんてことはありません。なぜでしょう?

876320_fire.jpgのサムネイル画像『些細なことでも話し合おう主義』と『争うつもりがない宣言』

 僕が事あるごとに職場で話すセリフがあります。耳にたこができるほどに伝えています。『些細なことでも話し合おう主義』です。

「自分の気持ちは言葉にして伝えようや、些細なことでも。むしろ些細なことほど言うた方がエエわ。同じように、相手の気持ちを言葉にして理解しよう。"これで合うてる?"って確認しよう。お互いに意見が違うことを理解し合うためにたっくさん話そう。それをせずに相手を責めたり、ましてや嫌いや!なんて言うのは、間違いやで」

 対立する意見を相手に伝えなければならないときや、注意をしなければならないときってありますよね。そんなときは、話を切り出す前に次のような言葉を掛けようと言っています。『争うつもりがない宣言』です。

「争うつもりはないし、否定する気もない。ケンカなんて絶対にしたくない。せやけど、お互いに理解を深める意味で話したいことがあるねん」

 この2つを心掛けるだけで、不思議なほどに薬局の仲間同士で争うことはなくなりました。いさかいのない職場は「楽しい」場になります。

876320_fire.jpgのサムネイル画像職場が「楽しい」場であれば「好き」になる

「楽しい」場といえば、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか?例えば、ディズニーランドはどうでしょう。ディズニーランドが「つまらない」とか「嫌い」という人に、僕は出会ったことがありません。興味がない人は多数知っていますが。ディズニーランドに対してマイナス感情を持つ人は非常に少ないんちゃうかなと思います。興味がない人はプラスマイナスゼロってところでしょう。ゆえに、「ディズニーランドは好きですか?」と尋ねれば「はい」とか「えぇ、まぁ」という答えが返ってくるでしょう。

 これがディズニーランドではなく、職場であったら、スゴいと思いませんか?職場に対してマイナス感情がない。ある意味、異常です。オカシイです。でも、最高でしょう?

 楽しい場になってきた...そんないい感じに温まってきたところに、僕けいしゅけは追い打ちを掛けます。追い打ちのチョコレート...『お菓子攻撃』です。これは効きます。

876320_fire.jpgのサムネイル画像なんやかんや言うて、とにかくお互いしゃべることじゃないの?

僕の職場の仲間が「この店舗が好きです!」という理由の根本、ここでもう一度繰り返します。

  • お互いに思うことがあるなら些細なことでも言おう。ただし、ケンカをするつもりがない!と宣言してから
  • 「つまらなくはない」「嫌いじゃない」マイナス感情のない職場に持ち込む
  • お菓子を置いて気楽に話せる環境をつくる。「楽しい」場所ならみんな「好き」

 僕たち薬剤師は日々の仕事で思い責任を背負っていますし、忙しい時間帯にはピリピリします。何より人間同士が集まれば、スタンスの違いがあるのですから意見が食い違うのは当たり前。いずれにしても、僕が目指しているのは「雰囲気の良い薬局」です。ほんじゃ、どうやったらエエのかなぁ?と模索する中で、「たくさん話すこと」が大事だという結論に至ったのです。

876320_fire.jpgのサムネイル画像今すぐできるのは、自分を変えること

 僕が「雰囲気の良い薬局」を目指す理由は、自分が患者であれば、和やかな薬局に行った方が「気分が良くなるから」です。そこで、管理薬剤師けいしゅけが実践していることを最後にもう1つ紹介します。『他人の振り見て我が身を直す!』です。

 僕は日ごろからさまざまなお店に入ったときに、店員さんの行動を眺めながら、どんな言動がお客さんの気分を良くしているのか「イイトコ探し」をしています。めっちゃエエやんっ!と感じたとき、具体的にどういった表情、態度が心地よかったのかを細かく分析するのです。

 そして「これ、僕ってできているかなぁ?」と自己を振り返ります。人を変えることは容易ではありません。今すぐにでも変えられるのは自分だけです。つまり、自分の薬局を変える前に自分を変えるのです!

 それだけでなく、薬局の仲間にもフィードバックします。店員さんの言葉や態度、表情が僕にどういうふうに伝わって、僕がどう感じたかを具体的に伝えるのです。僕の狙いは「利用者にとって雰囲気が良いとは何か」を、より具体的に共有することです。どうすればいいかが明確であれば、やってみようという気持ちも自然と生まれてきます。

 自分の薬局での実践を紹介するなんて気恥ずかしい話です。ただ、少しでも読者の皆さんの薬局づくりの参考になるところがあれば、最高に嬉しいです。日本全国、皆さんでいい薬局をつくって楽しく仕事して、患者さんや地域の方々に喜んでもらいましょう!

※岸見一郎、古賀史健(2013).嫌われる勇気-自己啓発の源流「アドラー」の教え ダイヤモンド社 p.70より

【コラムコンセプト】

けいしゅけが仲間たちとつくる理想の薬局!そこに待ち受けるさまざまな困難とは?困難に真っ向から対峙しさらなるアツさをたぎらせるけいしゅけが繰り出す必殺技の数々、震えて待て!

【神田佳典氏プロフィール】

keisyuke_prof_white.jpg総合病院前の調剤薬局で薬局長として働く薬剤師。2度の心臓手術を乗り越えて与えてもらった人生。誰かのためにその時間をアツく生きると決めました。薬剤師として誰かの役に立つにはどうしたらいいのだろう?そこで出会ったのがEBMであり、所属しているAHEADMAPでした。Passion×EBM×仲間が生み出すエネルギーを武器に、アツい調剤薬局をつくると日々奮闘中です!

ブログ:けいしゅけのブログ薬局

Twitter:@keisyukeblog

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