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治療に必要な薬がドーピング対象!どうしたらいい?

2018年05月10日 08:00

 近年、市民やジュニア選手が出場するスポーツ大会でも導入されるようになったドーピング検査。アンチ・ドーピングの知識はオリンピック選手に限らず、全てのアスリートにとって必須のものになっています。スポーツファーマシストではないけれどアスリートの役に立ちたいと考える薬剤師T子を中心に、実務で押さえておきたいアンチ・ドーピングに関する情報をお伝えします。

登場人物.PNG

治療も試合もあきらめたくないアスリートを支える

T子.PNG

持病の治療で禁止薬を服用しなければいけないアスリートは、競技出場をあきらめなければならないのかしら...。

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TUE(Therapeutic Use Exemptions)申請について知っておかなければいけないね。TUE申請とは、治療使用特例とも言えるもの。禁止物質や禁止方法を治療目的で使用したい競技者が申請して、認められれば使用できる手続きのことだ。ただし、治療上必要であり、他に治療法がなく、使用しても競技力を高めないものに限定されているんだ。

T子.PNG

よかった...。ドーピング目的での禁止物質の使用と、治療目的で服薬することは違うということよね。

S男.PNG

ただし、申請しても必ずパスするわけではないんだ。以前、ある国のある競技でなぜか選手全員が喘息ということがあったらしい。だから、「最近のTUE委員会はそういうことがないよう厳しいチェックをしている(JADA 浅川伸氏)」そうだよ。

T子.PNG

日常的にドーピングに気をつけていても、緊急の処置が必要な場合に禁止薬を使ってしまうような場合もありそうよね。TUE申請ってそういうケースも見越して行わなければ行けないの?

S男.PNG

その必要はないよ。救急治療や急性病状の治療におけるケースに対しては、「遡及的TUE申請」が設けられていて、事後のTUE申請が認められているんだ。ただし、競技者は使用後、速やかに申請を行わなければならなく、「緊急性を証明する医療記録」の提出が必須なんだ。TUE申請同様、必ず受理されるというわけではないことも知っておくといいね。

T子.PNG

TUE申請はJADAに行えばいいの?

S男.PNG

TUE申請書の提出先は競技者のレベル、競技会の種類によって違うんだ。国際競技連盟の指定を受けている競技者は所管の国際競技連盟に、それ以外の競技者の場合は原則日本アンチ・ドーピング機構(JADA)のTUE委員会に提出するよ。申請方法や承認条件など、詳しくはJADAのウェブサイトを見るとよいだろう。

また、ドーピングに関しては、どのアスリートにも問題意識を持っていてほしいと思うけれど、実際にTUE申請が必要になるのは一部のアスリートに限られるんだ。対象は国内のTUE事前申請が必要な競技大会一覧(JADA)で確認できるよ。

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