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薬剤師が考えたカードゲームで遊んでみたら、思いのほか面白かった。

アスリートの気持ちを体感!ドーピングガーディアン

2018年05月23日 08:00

「薬剤師が考えたカードゲームがあるらしいよ」

 こんにちは、編集Tです。大阪の編集Hからメールが届きました。「薬剤師が考えたカードゲームがあるらしいよ」。

 ゲームの名前は「DOPING GUARDIAN(ドーピングガーディアン)」。キャッチコピーは「うっかりドーピング防止ゲーム」とのこと。

「アスリートを支える薬剤師になろう」という企画を開始してそろそろ半年。ドーピング問題への関心は、日々深まるばかりです。このキャッチコピーを聞いて、黙ってはいられない!

 さっそく、「取り寄せてプレイしてみよう!」と、製作者の清水雅之さん(静岡県みどりや薬局)に問い合わせました。すると、近々、都内に来られる予定があるとのこと。直接お会いして、一緒にプレイすることになりました。他の編集部員も誘ってドーピングガーディアンで遊んで(うっかりドーピングに関する啓発効果を検証...して)みました。

IMG_1131DGDG.jpgボードゲーム好きな私としては、十分満足できる面白さでした。知人や家族と遊べば、面白いカードゲームの1つとして盛り上がるでしょう。もちろん、啓発用ツールとしてもよくできていると思いました。ゲームの体験会に参加した方々が、「選手の気持ちがよく分かる」「スポーツファーマシストに相談することの大切さがよくわかった」といった感想を述べていたそうですが、大いに共感!ドーピングを楽しく学ぶための学習ツールの1つとして活用できそうです。

 プレイすれば、ゲームとしても、啓発用資材としても"うまく出来ている"ことは言わずもがな。・・・ですが、まだ手に取ったことのない方が多いでしょう。プレイしていない人にも魅力が伝わるように、プレイ中に清水さんが繰り出したいくつかの名言と合わせて、ドーピングガーディアンを紹介します。一切の利益相反はありません。

IMG_7048SP0101.jpg市で唯一のスポーツファーマシストでもある清水さん。ベストはスポーツファーマシストとして活動するときのユニフォーム。ドラッグストアにいるアスリートから「どの痛み止め(のOTC)を買ったらいいの?」などと問い合わせが入ることも多いそうだ。

この記事で紹介することと、清水さんの名言

  1. 遊び方
    サプリカードでトレーニングカードの効果を高め、病気カードを薬カードで治す
  2. 清水さんの名言から、ドーピング問題を知る
    1)病気はアスリートの都合を考えてくれない!
    2)試合日が迫ると薬のことなど忘れてしまう!
    3)どんなにトレーニングを積んでも、ドーピングをしたら失格!
    4)サプリにも薬同様のリスクはあるが効果を確かめたくてつい飲んでしまう
    5)アスリートにとってドーピングは「薬がたまたま引っかかるかどうか」といった感覚か
  3. ゲームを作った目的
    薬剤師に早い段階で相談することが大事だと理解してほしい
  4. 活用方法
    ドーピングへの問題意識を橋渡しするツールとして活用してほしい

 

サプリカードでトレーニングカードの効果を高め
病気カードを薬カードで治す

 カードは5種類、67枚。プレイヤーには1人4枚ずつカードが配られ、その中にドーピングガーディアンカードを含みます。

 持ち札からカードを開いていき、ポイントを積み上げて勝利を目指します。トレーニングカードでポイントを上げて、病気カードでポイントを失う。サプリメントでトレーニングの効果を高めて、クスリで病気を治します。

 ゲームの始めに伏せ札が5枚並べられ、このなかにサプリや薬のカードがあれば、それがドーピングの対象(禁止物質)となります。

名言その1
「病気はアスリートの都合を考えてくれない!」

札の種類.png

編集S「最悪だな~」

 どうやら、手札に病気カードがあるようです(写真は編集Sの持ち札です↑)

 手札に病気カードがあると、場に開いていかなければなりません。そして、山場から1枚カードを取ります。

 編集Sが山場から引くと、また病気カード。
「病気カードが出たら無条件でマイナスだなんて、酷じゃないですか!!」

清水氏「病気っていうのは基本的にこっちの都合を考えてくれないんですよね。練習や治療の機会を奪います。」

 この発言には、「なるほど~」と感心。残念ながら、編集Sはその後も病気カードばかりを引いていました。

清水氏「今シーズンは不調ですね。実際に怪我や病気の重なる人っています。そのような場合、まずは治療に集中してマイナスを0点に近づけていくのがいいですね」

名言その2
試合日が迫ると薬のことなど忘れてしまう!

 ゲームは10ターンで終了します。

 そろそろ、折り返し地点。ふと、場の中央に伏せてある5枚の札の存在を思い出しました。

私「病気を薬で治す、トレーニングの効果をサプリで高めることに夢中になっていたら、すっかりドーピングの存在を忘れていた...!」

fusefuda.jpg

清水氏うっかりドーピングってそういうことなんです治療しようと思っている時や試合日が迫っているときなどは、アスリートは薬のことなどは忘れてしまうんです!!!

 少しだけ、アスリートの感覚を体験したような気持ちでした。

名言その3
どんなにトレーニングを積んでも
ドーピングをしたら「失格」!

薬剤師T子企画のT子のモデル)「禁止物質が出たら、点数が0になるのでしたっけ?」

清水氏「失格となります」

 失格...!!そうか。アスリートもそうですね。

清水氏どんなにコンディションを整えてトレーニングを積んでも、ドーピングをしたら失格なのです

 唐突に禁止物質が怖くなったので、ドーピングガーディアンカードを使うことにしました。

DG.PNG

 このカードを使えば伏せ札5枚の中から好きな2枚を確認することができます。プレイした後で気がついたのですが、実は、このドーピングガーディアンカード、早めに使っておくほうが有利です。

 後になって伏せ札を見ると、自分が既に出したもののなかに禁止薬が含まれている可能性があります。禁止薬は早めに知っておく方がよい。つまり、スポーツファーマシストに早めに相談しておくのがよいのです!!!!

名言その4
サプリにも薬同様のリスクはあるが
効果を確かめたくてつい飲んでしまう

 プレイ中、サプリカードよりも薬カードのほうが、よりリスクが高いような感覚を覚えました。実際に伏せ札に含まれているリスクは当然、同等なのに不思議です。

 サプリカードはトレーニングカードのポイントを2倍にも3倍にもしてくれます。ただマイナスのポイントをゼロにする薬カードよりもメリットが大きく感じられるのです。だからついつい、積極的に出したくなってしまうのです。

清水氏「アスリートの中には、病気やケガがあっても薬を一切使わず、『痛みや苦しみを根性で我慢して試合に参加した』という人もいます。一方、サプリメントにドーピングのリスクがあっても、効果を確かめたくてついつい飲んでしまうこともあるんです!

IMG_7054.JPGゲームの体験会を何度か開催し、研修などの指導材料としても用いてきた清水氏。薬剤師とアスリートではプレイスタイルに違いが現れるそうです。薬剤師はクスリもサプリも使わないでトレーニング札を(病気札があれば、もちろんまずは病気札を)出していく一方で、アスリートは薬札を使用して積極的に病気を直していくとのこと。薬剤師の方がドーピングのリスクを理解し、慎重に対応しているということでしょうか?そしてアスリートは、身体が資本だという意識が強い...?

名言その5
アスリートにとってドーピングは
「薬がたまたま引っかかるかどうか」といった感覚か

 さて、10ターンを周り、ゲーム終了です。伏せ札を開くと、薬カードもサプリカードもありませんでした。つまり、禁止物質はゼロ!「な~んだ~!」という一同の声に、清水さんはこう答えました。

「実際は、禁止物質をうっかり飲んでしまう確率なんてそれほど高くありません。アスリートのほうからすると、「偶然飲んだ薬がたまたまひっかかるかどうか」といった感覚なのかもしれません。しかし、薬の知識を持つ薬剤師であれば、「なんでわざわざあの薬を飲むのだろう」と思うようなものを選んでいたりするのです。

 さて、結果は・・・
 清水さん 16点、 編集T 8点、 編集S 2点、 薬剤師T子 0点 で清水さんの優勝でした!

 面白かったので、もう一回戦!その結果は
 編集T 15点、 薬剤師T子 7点、 編集S 6点、清水さん 5点 ・・・わたくし、優勝しました!

 先にドーピングガーディアンカードを使ったり、場に並ぶ薬カードやサプリカードの数からドーピングカードを推測していくといったテクニックが勝利にかかわるものの、病気カードやトレーニングカードがいかに采配されるかといった"運"が明暗を分ける鍵となります。誰が勝利するかは、わからない。この手のゲームが好きな人は、ハマッてしまいそうです。

薬剤師に早い段階で相談することが大事だと理解してほしい

 ところで、アスリートは、ドーピングについてどの程度の知識を持っていることが望ましいのでしょうか?このゲームの体験会では、「貼り薬や塗り薬でもひっかかることがあるんだ」、「サプリの錠剤ではなく粉末やゼリーなら大丈夫だと思っていた...」などという声も聞いたという清水さん。

 「もちろん、アスリートもドーピングについての知識を持つことが望ましいですが、実際にはそこまで深く理解できていないのが現状。ですからアスリートには、「薬剤師に相談できる」、「早い段階で相談することが大切だ」ということを理解してほしい」と言います。そして、それこそがこのゲームを作った目的だということです。

ドーピングへの問題意識を橋渡しするツールとして活用してほしい

 では、このゲームをどうやって活用すればよいでしょうか?清水さんは「スポーツファーマシストや学校薬剤師がこれを持って教育・啓発活動をしてほしい」と語ります。

ゲームは一緒にプレイする相手との距離を縮めることができる。薬剤師がアスリートや学生とゲームをすることで、身近な相談相手として認識してもらえる。また、学校などに講演を提案する手段としても活用できる」とのこと。「遊んで学べるゲームがあるので学生さんとやってみたいと思って」と言えば学校の反応も良いのではないでしょうか。

IMG_7052suzukishi.jpg「薬剤師がアスリートにすすめ、こんどはアスリートからアスリートへと、アンチドーピングを広げるツールとして使ってほしいです」

(関連記事)
67枚のカードで遊んで学ぶドーピング
ドーピングガーディアンを作った目的や経緯についてもう少し詳しくうかがいました。

★7月からは、スポーツファーマシストとして活躍する清水さんのコラム連載が開始します!お楽しみに!

ドーピングガーディアン
 https://www.doping-guardian.com/

問い合わせ先:みどりや薬局
 https://www.facebook.com/midoriya.m2020/

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