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5月後半の押さえておきたい健康情報

2018年06月01日 10:00

5月16日~31日に各メディアで配信された健康情報のうち、「コレは押さえておきたい!」と考えたものを、独断と偏見でリストアップします。患者さんからの突然の質問に困らないよう、情報収集の一手として役立てていただけると幸いです。

インフル治療薬タミフル、10代使用制限解除へ 厚労省

https://www.asahi.com/articles/ASL5K265SL5KUBQU001.html

【朝日新聞デジタル 5月17日】

タミフル(一般名:オセルタミビル)は服用後の異常行動が話題となり、10代への使用が制限されていました。添付文書の警告欄には「10歳以上の未成年の患者に、原則として使用を差し控えること」と記載されていますが、これは「特定の薬だけが危険」という誤解にも繋がることから、削除されることになりました。

インフルエンザ罹患時の異常行動は、薬の有無や種類に関わらず起こるものですが、未だに過去の報道の影響は大きく、「薬を飲んでいなければ大丈夫」という油断も散見されます。インフルエンザや治療薬について適切な情報提供・指導が必要です。


(参考)
◆インフルエンザ罹患に伴う異常行動研究 2016/2017シーズン報告
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11121000-Iyakushokuhinkyoku-Soumuka/0000184039.pdf

夫作ったハンバーグから睡眠薬...夫婦間でも起きる性暴力

https://www.asahi.com/articles/ASL5N4WJLL5NUUPI001.html

【朝日新聞デジタル 5月21日】

夫が作ったハンバーグが青く変色していたことから、薬物混入が発覚したと報じられています。このように、睡眠薬を知らないうちに飲食物に混ぜられ、事件・事故に巻き込まれる事例は少なくありません。特に悪用されることの多いフルニトラゼパム製剤は、錠剤を粉砕・溶解すると鮮やかな青色になるよう2015年に改良されています。睡眠薬は睡眠障害の治療に有用な薬ですが、濫用や悪用を防ぐためにそのリスクについても周知する必要があります。


(参考)
◆日本病院薬剤師会「フルニトラゼパム製剤の着色錠の使用に当たっての留意事項」
http://www.jshp.or.jp/cont/15/0716-1.html

抗認知症薬 85歳以上の2割が使用 処方実態明らかに

https://mainichi.jp/articles/20180528/k00/00m/040/081000c

【毎日新聞 5月27日】

抗認知症薬は、臨床試験によってエビデンスの蓄積された85歳未満の患者ではなく、85歳以上の高齢者が総処方量の半分近く(約47%)を消費していることが明らかになりました。しかし、85歳以上の患者では得られるメリットより副作用によるデメリットの方が上回ることも懸念されるため、ガイドラインでの推奨も年齢によって区別する必要がある等の指摘がされています。多剤併用による副作用や医療費圧迫など、高齢者の薬物治療における問題点がよく話題になるなか、「誰にとって有益な薬なのか?」という意識が求められています。


(参考)
◆原著:https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/gps.4892

妊婦さんは救急車・タクシーを呼んでいいの? 消防庁・医師・タクシー会社の見解は

https://www.buzzfeed.com/jp/seiichirokuchiki/sanhatakusiondeiino-takusinoha

【BuzzFeedNews 5月30日】

救急車をタクシー代わりに使う「不正利用」が問題視されていますが、ネット上で妊婦さんが救急車を利用することの是非が議論になりました。これについて、総務省消防庁は「専門家以外には緊急度の判断がつけられない」として、基本的に「出産のためだからダメ」ということはないと回答しています。また、記事では救急車を呼ぶべきか迷った際の手助けとして、一部自治体の救急相談センター「#7199」や消防庁のアプリ「Q助」、また「陣痛タクシー」など、医療従事者として知っておくべきサービスが紹介されています。

【コラムコンセプト】
TV・新聞・週刊誌・インターネット......毎日さまざまなメディアから大量の健康情報が配信されます。それを見た患者さんが「こんな情報を見たけれど、私の治療って大丈夫?」と聞いてきたらどうしますか?医療や薬に関する情報は、命に関わるもの。正確さ、専門性が求められます。薬剤師は薬の専門家として、患者さんの持ち込んだ情報が適切かどうかを判断し、対応しなければなりません。このコラムでは毎月、世間を賑わした健康情報をリストアップし、必要に応じて解説します。患者さんからの突然の質問に困らないよう、情報収集の一手として役立てて頂ければ幸いです。

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【児島 悠史氏 プロフィール】
京都薬科大学大学院修了後、薬局薬剤師として活動。「誤解や偏見によって生まれる悲劇を、正しい情報提供と教育によって防ぎたい」という理念のもと、日々の服薬指導のほか、Webサイト「お薬Q&A~Fizz Drug Information」を運営。医学論文などを情報源とした信頼性のある医療情報や、国民の情報リテラシー向上を目的とする記事を配信。近著は、「薬局ですぐに役立つ薬の比較と使い分け100」。

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