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かぜ薬のうっかりドーピングは要注意!

そのクスリ、禁止薬です!

2018年06月06日 08:00

 近年、市民やジュニア選手が出場するスポーツ大会でも導入されるようになったドーピング検査。アンチ・ドーピングの知識はオリンピック選手に限らず、全てのアスリートにとって必須のものになっています。スポーツファーマシストではないけれどアスリートの役に立ちたいと考える薬剤師T子を中心に、実務で押さえておきたいアンチ・ドーピングに関する情報をお伝えします。

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今回学ぶこと

  1. 身近な総合感冒薬に含まれる興奮薬(S6)

  2. おさらい:興奮薬(S6)

身近な総合感冒薬に含まれる興奮薬(S6)

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最近のアンチ・ドーピング規則違反で、蛋白同化薬と並んで多いのが興奮薬ですよね。(関連記事:アンチ・ドーピング規則違反の現状

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そう。ドーピングの観点から禁止されている興奮薬とは「中枢神経に作用して生理的な興奮を導く薬」のこと。実際に使われている医薬品としての適応は幅広いよ。【表】を見てほしい。

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エフェドリンメチルエフェドリンプソイドエフェドリンはOTC薬の総合感冒薬鼻炎用薬で頻用されているから、うっかりドーピングを起こしやすいわね。エフェドリン麻黄の成分だから、葛根湯小青竜湯などにも含まれているし。ホミカもOTC薬の胃腸薬に含まれているものがあるわ。

あっ、お茶やコーヒーに含まれるカフェインは大丈夫なのかしら? 中枢神経興奮作用と利尿作用があるけれど。

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カフェインは、2004年に禁止物質から外れて監視プログラム※8に移ったから、お茶やコーヒーに特別の注意を払う必要はなくなったよ。でも、カフェインは監視対象としてモニターされて、その結果次第でまた禁止される可能性もあるから、注意しておきたいところだね。

もう1つ知っておきたいのは、近年、メチルヘキサンアミン※9オキシロフリン※9といった興奮薬を含むサプリメントによる違反事例が報告されていること。メチルヘキサンアミンは「ゼラニウム根エキス」「ゼラニウム油」として表示されているから、注意が必要なんだ。

※8 禁止物質ではないが、スポーツにおける濫用パターンを把握するために監視するプログラム。興奮薬としては、カフェイン、ニコチン、フェニレフリンが該当する。

※9 メチルヘキサンアミンとオキシロフリンは興奮薬の特定物質として禁止表に掲載されているが、日本では医薬品として販売されていない。

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興奮薬(S6)

興奮薬がドーピング物質として禁止される理由

  • 中枢神経系を刺激して疲労感を緩和し、敏捷性・競争心を高める
  • 疲労の限界に対する正常な判断力を失わせ、競技相手に危害を与える可能性あり

興奮薬はドーピング物質の代表格

スポーツにおけるドーピングの記録は、1865年のアムステルダム運河水泳競技が最も古いといわれています。

1886年には自転車競技において興奮薬による最初の死亡事故が発生し、1960年のローマオリンピックで、興奮薬(アンフェタミン)の過剰使用により自転車競技中に失神、転倒して死亡する事故が起きました。

これを契機に、1968年のグルノーブル冬季オリンピックとメキシコオリンピックから正式にドーピング検査が実施されるようになりました。

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