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総合感冒薬~子供のかぜ薬、どんな薬がイイですか?-前編

医療法人社団徳仁会中野病院 青島周一

2018年06月15日 10:00

「22時過ぎか、あと少しで今日のドラッグストア業務も終わりそうだ。」

明日に備えて、品出しでもしておこうと、調剤室を出てOTC売り場へ向かう薬剤師のあなた。そこに1人の女性客が来店しました。

「子供がかぜなんですが、どんな薬がイイですか?」

近隣の夜間急患センターは22時で受付が終了。薬を飲まずに朝まで様子を見るべきかどうか悩むところではあります。子供のつらそうな寝顔を見ていると、親としては、少しでも症状を和らげるために、あるいはかぜがひどくならないうちに、早めに薬を飲ませたい。そんな想いを抱くことでしょう。

だがしかし、それは本当にかぜなのか?

「かぜなんですが...」と言ってOTC医薬品を買い求めに来たお客さん(患者さん)に対して、まず考えるべきことは、「だがしかし、それは本当にかぜなのか?」です。この連載は、臨床推論の解説を目的としたものではないですが、風邪について、最低限確認すべきポイントを整理しましょう。今回のケースでは、患者さん本人が目の前にいるわけではないので、症状の正確な把握は困難ですが、OTC販売において大事なのは、症状から病名を当てることではなく、OTCで対応できる状態にあるかどうかの判別です。

【最低限確認しておきたい情報】

  1. インフルエンザやアレルギー性鼻炎ではないか
  2. 「いつもと何か違う」症状ではないか
  3. 複数の症状が出ているか

インフルエンザシーズン中の感冒症状は、"ただの風邪"ではなく、インフルエンザウイルス感染症の可能性が高いと考えられます。流行状況やワクチン接種の有無にもよりますが、こうしたケースでは総合感冒薬の販売に慎重を期した方がよいかもしれません。15歳未満の適用はないのですが、パイロンPL顆粒のようなサリチル酸系製剤が含有された風邪薬は販売すべきではないでしょう。医療用医薬品の「幼児用PL配合顆粒」添付文書には、以下のような記載があります。

サリチル酸系製剤の使用実態は我が国と異なるものの、米国においてサリチル酸系製剤とライ症候群との関連性を示す疫学調査報告があるので、本剤を15歳未満の水痘、インフルエンザの患者に投与しないことを原則とするが、やむを得ず投与する場合には、慎重に投与し、投与後の患者の状態を十分に観察すること。

「鼻水がひどくって・・・」という症状で来店した場合、かぜだけではなくアレルギー性鼻炎の可能性も考えられます。アレルギー歴や花粉のシーズンかどうかも、判断要素の1つとなるでしょう。小児におけるアレルギー性鼻炎の有病割合は近年増加傾向にある1)との報告がありますが、本ケースで重要になるのは、やはり2と3だと思います。

「いつもと同じ症状」ということであれば、"何か危険な兆候"はなさそうだ、という1つの目安になります。また、ウイルス性の上気道炎の場合、鼻汁、咽頭痛、発熱など複数の症状が出るのが特徴的で、咳のみ、咽頭痛のみ、あるいは頭痛のみ、ということは珍しいのです。咽頭痛のみの症状では溶連菌感染症を、激しい頭痛のみの場合は髄膜炎などを考えなくてはいけませんね。

「寒気がして震えが止まらないっ」という場合には、菌血症などを考慮しなければなりません。発熱の他にひどい腹痛があるケースでもただのかぜではなさそうです。こうした場合、OTCで対応できるレベルではありません2)。ただのかぜなのかどうか、医薬品販売前にしっかり把握する必要があります。

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