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薬歴ファイルに "ある工夫" で患者を見分ける

2018年07月13日 11:00

薬歴ファイルに

協力 ◎ 福井繁雄

このシリーズは、

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薬局での外来ケモ対応に関する病院とのやり取り
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薬局でのがん患者さんへの対応の2本立てでお届けします。
 


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うちの薬局が外来ケモ対応に取り組むようになったのは

 

僕は大阪の難波にある保険薬局に勤務する、ごく普通の勤務薬剤師だ。...と自分では思っているが、変人扱いされることも多かったりして...。頑固ともよく言われるし。

 さて、今日は月2回の外来ケモ(外来がん化学療法のコト)についての病院薬剤部とのミーティング。思い起こせば、去年00_p10_11_外来ケモ_0520-3.jpgの10月から始めた外来ケモの処方箋応需や患者対応は少しずつ流れに乗ってきた。始めるまでの準備と始まってからの業務改善、薬局内での話し合い、薬剤部や医師との相談、いろいろあったけど、なんとか解決してきたなぁ...。

うちの薬局が外来ケモに取り組むようになったのは、目の前の病院ががん化学療法の処方箋を外に出すことが決まり、声がかかったからだ。ちょうどそのとき、長年かかりつけにしてくれている透析の患者さんに大腸がんが見つかり、透析治療+がん化学療法を始めることになったと聞いていた。

病院から外来ケモの処方箋応需の依頼が来たときは、薬局のスタッフ間で「医師の説明と食い違っていたら影響が大きそうで怖い」「患者さんはみんな告知されているのか」「告知されていないとしたら、がんだと気づかれないように対応できる自信がない」など、不安視する声が多かった。もちろん僕自身も不安はあった。ひとつひとつ解決の道を探り、すったもんだしながら外来ケモの処方箋対応に漕ぎ着けて今がある。

まだまだ道半ばですが、僕たちの奮闘ぶりが読者の皆さまに少しでもお役に立てばと思い、執筆することを決意しました。これから宜しくお願いします。

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薬歴ファイルに"ある工夫"で患者さんを見分ける

外来ケモを受けている患者さんの対応を始めるにあたり、薬局内で、「がんの患者さんかどうかわかったほうが、いろいろと都合がいいのでは?」という意見が出ていた。
 そこで、ひと目で外来ケモの患者だとわかるようにがん患者さんの薬歴ファイルを紫色に、がん患者さん以外は透明にして、頭書きやファイルの表紙に「Data」など注意事項を書いて区別できるようにしてみた。

が、もしかしたら...

患者:兄ちゃんが見てる私の記録みたいなん,ほかの患者さんとなんで色がちがうん?
僕: えっと,点滴の後で少しでも早く薬を渡すのと,処方箋に書かれている医師のコメントを伝える為なんですよ。
患者:なんか辛いわぁ。特別扱いされてるみたいに感じますやん。
薬剤師が一目でわかるようにしていたことが,患者さんにばれてしまった!...なんてことになりかねない。

いろんなことに神経質になっている患者さんは、ファイルの色でさえも目についてしまう可能性がある。「なぜ私だけファイルの色が違うのか」という不信感を払拭するためにはどうしたら良いか...。同僚からも色より何か方法があるはずよ、と指摘されたし...。

 そこで思いついたのが、薬歴ファイルにカードケースを入れる方法。さっそくオフィス用品の通販で注文して、A4サイズのカードケースを入手し薬歴に入れてみると、なんと、はみ出してしまった!これじゃあ患者さんに見えてしまって意味がない。すぐに一回り小さいB5サイズを手に入れたところ、すっぽり収まった。

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今では、このカードケースの中に注意事項や病院から薬局内への申し送りを入れている。監査者はカードケースが入っていることにより、【抗がん剤投与の患者だ】と認識するし、服薬指導の薬剤師も薬歴ファイルを手にとれば重みで、触れば硬さで認識できる。
これなら患者さんの目にもつかないし、我ながらナイスアイデア!?

患者さんの不安を少しでも取り除き,きちんと服薬してもらう。カードケースを入れるちょっとした工夫が,患者さんのQOLの向上につながっている...はず。

(PharmaTribune2010年6月号掲載)

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