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「最近、喉が狭まったみたいで飲みにくい」という患者さん

2018年07月27日 15:41

「最近、喉が狭まったみたいで飲みにくい」という患者さん

協力 ◎ 福井繁雄

このシリーズは

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薬局での外来ケモ対応に関する病院とのやり取り
患者 アイコン.png薬局でのがん患者さんへの対応の2本立てでお届けします。
 

 


患者 アイコン.png「喉が挟まったみたいで飲みにくい」

前回紹介したカードケース入りの薬歴簿、成果があがりました!

ある日のこと。

患者:最近、喉が狭まったみたいでカプセル剤が飲みにくいのよね。

喉が狭まる??薬歴のこの重み...、外来ケモで点滴を受けている患者さんだな。えぇっと、ゼローダ®出ていて点滴してるってことは、XELOX療法を受けている・・・。ということは、エルプラット®による咽頭の絞扼感が考えられるな...。

僕:このカプセルはビタミン剤で、カプセルを取って飲んでも構わないんですよ。粉は苦手ではないですか?

患者:うん。粉なら大丈夫よ。

僕:じゃあ、次に薬を飲むときには、カプセルから出して飲んでみてください。

患者:そうやって飲んでもいいのね!今度からカプセルをとって飲んでみるわ。冷たい水はちょっとつらいから、冷ました白湯で、ゆっくり流し込むね。相談してよかった〜♪

薬歴ファイルの重みで抗がん剤の点滴を受けてきた患者だとすぐに認識できると、患者さんとの会話の中で"?"が浮かんだときに、答えまでの到達時間が短くなることが証明された(とりあえずn=1)。

 それに、何もしゃべらない患者さんに対しても、点滴後で疲れていることが重みで予想できるし、服薬指導の時間を短縮した方がいいな!と判断が早まる。

話は戻って、「喉が狭まった感じ」はエルプラット®投与中の患者さんから聞くことがある訴えだ。インタビューフォームを見ると、重要な基本的注意に「咽頭喉頭の絞扼感(咽頭喉頭感覚異常)があらわれることがある」と書かれている。

 「特に低温又は冷たいものへの曝露により誘発又は悪化する」とも書かれていて、実際に患者さんから冷たい水だけでなく、冷たい風も本当に辛いという話も聞いている。

ちなみに、ビタミン剤の脱カプセルは患者さんへ勧める前に自分で飲んでみて、口の中に少し酸っぱさは残るが、喉に引っ掛かる感じがないことを確認していた。喉の感覚異常を訴える患者さんや高齢者などでは、脱カプセルすることでカプセル剤が食道粘膜に付着して起こる食道潰瘍を回避することも期待できる。

 この患者さんを機に、感覚異常を訴える患者さんや嚥下困難のある高齢の患者さんにも脱カプセルをすすめようと考えている。

02_p32_33_外来ケモ.jpg

というわけで,薬歴ファイルの話はこれでおしまい。次回もお楽しみに♪

XELOX(ゼロックス)療法
大腸がんのレジメンのひとつで、カペシタビン(ゼローダ®)とオキサリプラチン(エルプラット®)の併用療法のこと。
ゼローダ®は内服薬、エルプラット®は注射薬。ゼローダ®単剤の治療法もあるため、処方箋だけみるとゼローダ®単剤での治療かXELOX療法を受けているのかすぐにはわからないが、薬歴ファイルの重みで点滴を受けていることがわかった。となると、ゼローダ®との併用が考えられる点滴は...エルプラット®かエルプラット®+アバスチン®。エルプラット®は末梢神経症状と咽頭喉頭感覚異常が副作用として報告されているため、患者さんの訴える症状がエルプラット®によるものであることがすぐに頭に浮かんだわけだ。

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