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もしかして、周りと温度差があった?

在宅カンファで痛感したこと

2018年07月30日 09:00

もしかして、周りと温度差があった?

 先日、在宅チームのカンファレンスに参加してきました。

 慢性呼吸不全で終末期にある在宅患者さんの状態が悪化したために、急遽開催されたものです。

 訪問を開始したのは今年の4月。患者さんは80代男性。10年近く前に呼吸器専門医から「COPDの患者さんは概して几帳面な性格の方が多い」と伺ったことがありますが、まさにその言葉通りのキッチリした方です。訪問薬剤管理指導依頼書には緑内障、胆管結石、腰椎圧迫骨折の既往歴と、肺気腫、慢性呼吸不全、便秘、不眠、疼痛、低栄養という疾患名が記載されています。

 奥様との二人暮らしで、キーパーソンは近隣にお住いの娘さんです。介護保険サービスとして、医療系サービスは医師の往診、訪問看護による排便コントロール・入浴介助サービス、薬剤師の薬剤管理、在宅酸素。福祉系サービスには訪問介護、福祉用具貸与サービスが入っています。

 それぞれのサービスの担当者が一堂に会した今回のカンファレンスでは、ケアマネジャーの司会の下、現状の理解と注意事項、ケアの方向性を共有しました。

 その中で、「同居の妻が終末期ということを理解しているのか」についての話し合いがありました。医師の様子から、ご家族に「覚悟をもって接するように」と誘導していることが伝わってきました。また、食事に関する議論もありました。現在は、ヘルパーさんが工夫してミキサー食を作っていますが、医師は「カロリー計算をしてハイカロリー食を目指さず、本人の満足度を優先した方が良い」との意見。医療者と福祉系スタッフの考え方との違いが見え隠れしながらも、本人の尊厳を尊重して話し合いは進みました。

 私も、薬剤師の意見を準備してこの会議に臨みました。その内容は、点眼薬の使用法などの一般的な指導内容や吸入薬の手技について。関係者全員に知っていただきたいと思っていたことです。しかし、実際に議論されている内容との温度差を感じ、用意していった資料を渡すことしかできませんでした...。私自身が周りと認識を違えていたと痛感しました。

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 患者さんは隔週で訪問するたびに弱っていかれます。薬剤師として役に立てることは何かをじっくり考え、ご本人の「住み慣れた家に居たい!!!」という想いに寄り添わせていただこうと思う会議でした。

【コラムコンセプト】

ケアマネとしても薬剤師としても在宅活動を長く続けて筆者が、地域包括ケアの中でどのように薬剤師として貢献していくか、日々のエピソードとともに綴っていきます。

【角山美穂 プロフィール】

2009年11月、「在宅専門薬局」と言う想いでつぼみ薬局を開局。当初は、併設した「つぼみ薬局居宅介護支援事業所」の介護支援専門員として居宅を訪問したり、「つぼみ薬局」の訪問薬剤師として活動。現在は「街角相談薬局」という立ち位置で活動中。

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