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薬剤師が押さえておきたい健康トピックス(2018年8月前半)

2018年08月17日 08:00

8月1日~15日に各メディアで配信された健康情報のうち、「コレは押さえておきたい!」と考えたものを、独断と偏見でリストアップします。患者さんからの突然の質問に困らないよう、情報収集の一手として役立てていただけると幸いです。

骨折治療の患者、抗がん剤を39日連続投与され死亡

https://www.asahi.com/articles/ASL8B3HZPL8BTZNB003.html

【朝日新聞デジタル 8月10日】

『テモダール(一般名:テモゾロミド)』を連続39日間投与された患者が、副作用によって死亡する事故がありました。骨折で入院した際、他院で脳腫瘍に対して処方されていた『テモダール』を「抗がん剤」だと十分に認識しないまま整形外科医らが処方箋を書いたこと、薬剤師が連続投与に制限があると気付いていなかったことなどが原因として報道されています。知識不足を指摘する声もありますが、よく知らない薬を扱う機会は少なからず起こり得るものです。そういった薬に対して、十分な確認や情報収集をしないまま処方・調剤してしまうことが、極めて大きな問題です。

赤ちゃんに難聴も、関東で風疹急増・・・全国拡大も

https://www.yomiuri.co.jp/science/20180815-OYT1T50139.html

【読売オンライン 8月15日】

関東地方で風疹の患者数が急増していることから、厚生労働省は5年ぶりに予防接種の徹底などを呼びかける通知を出しています。妊娠20週頃までの妊婦が風疹ウイルスに感染すると、胎児に難聴などの障害が残る恐れがあります。しかし、MR(麻疹・風疹混合)ワクチンは生ワクチンのため、妊娠中には風疹の予防接種をできません。妊娠希望の女性やその家族は、早めの予防接種が重要です。

真夏の怪談!ゾンビのごとくよみがえる「サマータイム法案」が健康を脅かす

https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20180810-OYTET50012/

【読売オンライン「yomiDr.」 8月13日】

夏場の時計を一律に2時間進める「サマータイム法案」が議論を呼んでいます。一定の経済効果があるとする意見もありますが、サマータイムでは睡眠不足や睡眠障害の発生、それによる交通事故の増加や労働生産性の低下、心筋梗塞の増加なども報告されており、健康面への悪影響が極めて大きなものである、という事実は知っておく必要があります。


(参考)

◆サマータイム導入1週間で、急性心筋梗塞のリスクが最大7.5%増加(Sleep Med.13(3):237-42,(2012) PMID:22285108)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22285108

◆日本睡眠学会 「サマータイム 健康に与える影響」
http://www.jssr.jp/data/pdf/summertime_20120315.pdf

  

【コラムコンセプト】
TV・新聞・週刊誌・インターネット......毎日さまざまなメディアから大量の健康情報が配信されます。それを見た患者さんが「こんな情報を見たけれど、私の治療って大丈夫?」と聞いてきたらどうしますか?医療や薬に関する情報は、命に関わるもの。正確さ、専門性が求められます。薬剤師は薬の専門家として、患者さんの持ち込んだ情報が適切かどうかを判断し、対応しなければなりません。このコラムでは毎月、世間を賑わした健康情報をリストアップし、必要に応じて解説します。患者さんからの突然の質問に困らないよう、情報収集の一手として役立てて頂ければ幸いです。

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【児島 悠史氏 プロフィール】
京都薬科大学大学院修了後、薬局薬剤師として活動。「誤解や偏見によって生まれる悲劇を、正しい情報提供と教育によって防ぎたい」という理念のもと、日々の服薬指導のほか、Webサイト「お薬Q&A~Fizz Drug Information」を運営。医学論文などを情報源とした信頼性のある医療情報や、国民の情報リテラシー向上を目的とする記事を配信。近著は、「薬局ですぐに役立つ薬の比較と使い分け100」。

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