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1人で食事が!処方スッキリとの関係は!?

2018年08月21日 08:00

1人で食事が!処方スッキリとの関係は!?

つぼみ薬局居宅介護支援事業所 
角山 美穂

在宅患者さんのお役に立ちたくて、在宅専門薬局を立ち上げたのが2009年11月。1人薬剤師 兼 ケアマネとして、24時間体制で頑張っています!

【PharmaTribune2012年2月号掲載】

1人で食事が! 飲み込み困難だった患者さん

 ある患者さんの介護者より、「この頃薬の飲み込みが難しいので粉砕して欲しい」との依頼をいただきました。

 「薬は砕いても苦くなるだけで飲み込みやすくなるとは思えません。今回は'ペースト状のオブラート'で様子を見てください。この2週間の間に先生とお話してみます」と、回答。宿題にしていただきました。

02_PT38_p00_つぼみ.jpgこの "ペースト状のオブラート" 、なかなか評判がよいのです(^^ゞ

 一方、医師に「うるさい!」なんて言われたらどうしよう、もう処方箋が来ないかも......と不安を抱えつつ、このように処方内容の見直しを提案してみました。

01_PT38_p00_つぼみ.jpg

 デパケン®R錠はシロップ剤に変更、不要な薬剤(セレコックス®、ウルソ®、ツムラ五苓散、アリナミン®F、ベシケア®)は中止され、スッキリとした処方になりました。ひとまず安堵です。 

 そして処方変更後、初めての訪問です。上手く服用できていたかしら?患者様の様子はどうだったかな?......不安な気持ち半分、期待半分の私がグループホームに到着するやいなや、担当職員の方が「ちょっと!!!すごいんですよ!!!」と駆けつけてきました。

 「???」

「ご飯も自分でお箸を使って食べていたし,私の名前を呼んでくださるようになったんです♪」

 こんなことってあり!?

「何がよかったんかね〜?」「リバスタッチ®が効いてきた?」「たくさんの薬たちがお互いに何か災いをしていたんですかね〜?」と首を傾げつつも、うれしくなりました。

tsubom-flowericon.png

もともとは、デパケンの服薬管理ができず
ケアマネ兼薬剤師として在宅訪問し始めた

 この患者さんは、脳腫瘍が再発し、摘出術とケモを受けた後で、地域包括センターからケアマネ業務としての依頼をいただき、関わり始めた独居の方。2010年2月が初回訪問で、Myケアプランに居宅療養管理指導を位置づけた、つまり、ケアマネ兼訪問薬剤師として関わる唯一の患者さんです(2012年執筆当時)。

 ケアプランとして、薬剤師の居宅療養管理指導を行うようになったきっかけは、2度目のケアマネとしての訪問時、脳外科の処方箋がベッド横に落ちていたこと。その処方箋を持ち帰って調剤し、薬カレンダーへセット。さらにその次の訪問時に確認すると、「朝」の薬のみが服用されてなくなっているのです。 どうやら、お昼寝をし目が覚めると朝になっている。そしてご飯を食べて朝の薬を飲む。また昼になったら昼寝をして、翌朝目覚める...といった生活リズムが原因と判明。処方元の医師へFAXにて現状をお知らせし、一包化と訪問依頼書作成のお願いをしました。

 この脳外科医には、FAXに折り返しお電話をいただきましたが、往診はお願いできませんでした。また、患者さんにはかかりつけ医がいなかったため、往診医を探すことからスタートしました。

 同時期にサービス担当者会議を開催し、その中でヘルパーさんや訪問看護師さん、デイの職員の方へ服薬確認をお願いすると、ヘルパーさんは「薬より食べること、おひとりで生活していただくことが大事でしょ!」というご意見。

 「この患者さんは、デパケン®Rという痙攣予防の薬を飲んでいます。この薬は多過ぎでも少な過ぎても危険なので、ご飯と同じくらい大事なんです」とお伝えすると納得してくださり、みんなで管理することになりました。当時は、「薬の数が合いませんよ〜!」と、介護職員に週2〜3回は呼ばれて緊急訪問してましたっけ。

2度の入院を経てグループホーム入所へ

 しかし、2010年6月。急に尿失禁・歩行困難・日にちの見当識障害の悪化が見られるようになり、受診していただくと、水頭症との診断。脳髄液のシャント術・リハビリを受け11月に退院、在宅を再開しました。安心していたのも束の間、翌年2月には自宅で転倒し、大腿部骨折により4月まで入院。これを期に車いすに乗ることになったため、在宅での独居生活が困難となり、グループホームへ入所となりました。

 施設への薬の配達は初めての経験で、当初「受付に届けてくれたらいいよ」と言われていたにもかかわらず、つぼみ薬局のポリシーでご本人に面会させていただいたり、介護者にADLの聞き取りをしました。お忙しいのだから煙たい存在かなぁ...と落ち込む日もありましたが、続けていました。

 入所当初の患者さんは、在宅の頃と同じように冗談を言ったリ、自分でトイレに行こうと車いすから立ち上がろうとしていましたが、8月頃から発語がめっきり減り、9月には傾眠傾向に...。8月と10月に脳外科で受けたMRI検査の結果、脳腫瘍治療の際の放射線照射の後遺症で「脳が壊死」しているというショッキングな診断を告げられました。そして、10月末の訪問で受けたのが、コラム冒頭の「薬の粉砕調剤」の依頼です。施設職員に詳しく状況を伺うと、デパケン®Rとツムラ五苓散の飲み込みが困難とわかり、上述の提案をした次第です。

 診断結果から考慮しても、今回の劇的な変化は病状が改善した結果ではないようですが、一時の傾眠傾向は見られず、3時のおやつにお煎餅とウエハース、お茶をご自分で食べ、おいしそうな表情を見せてくれます。私の顔を見るなり「あら先生!いつもありがとうございます」と声をかけてくれ、「調子はいかがですか?」と聞けば、「段々よくなっているみたい」と。「コロリと逝きたいと思っているのにね」ともおっしゃるのですが...。

 家に帰れるくらいに回復していただきたい!在宅の介護職員に呼びつけられ、「はいはい、すぐ行きますよ〜」と出動する日がまた来ることを切に願っています。

 私が薬剤師として居宅療養管理指導を行っている患者さんたちの中ではこの方が最長で、かつケアマネもさせていただいていたため,思い入れも大なのです(^^ゞ

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