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症例提示~食物アレルギーに対するエピペン投与

2018年08月31日 16:30

「子供は小さな大人ではない」と表現されるように、特殊性の高い小児科領域。
小児科処方箋を日々応需する薬剤師が、小児科処方の解析、患児・保護者への対応について意見を交換していきます。
参加メンバーの思考・視点を参考に、小児薬物療法の知識を深めましょう!

CASE 11

食物アレルギーに対するエピペン投与

いつも利用してくれる2人の患児の保護者が、薬局待合室で話していました。

  • A君 8歳男児 129cm 28kg
  • 近医小児科に継続受診している(アレルギー専門医)
  • 母乳栄養
  • 1歳時の離乳食で初めてパン粥(パンを牛乳で煮込んで粥状にしたもの)を食べて全身蕁麻疹になり、牛乳アレルギーと診断
  • 牛乳除去の生活を送っていたが、4歳時に幼稚園にてチーズの誤食により全身発赤と咳嗽、喘鳴を発現。アナフィラキシーと診断を受け、それ以来エピペンを常時所持している
  • エピペンは小学校にも預けてある
  • 小学校入学前の食物負荷試験 結果:牛乳安全領域5.5mL 誘発閾値16.5mL
    一部の食パンや加工品は摂取可能と診断。医師の指導を受けながら、食べられるものを探すため継続受診している

本日定期受診の処方薬

  • Rp. 1 アレロック®OD錠5mg 2錠 発作時 4回分
        リンデロン®錠0.5mg  4錠 発作時 4回分
  • Rp. 2 ザイザル®錠5mg    1錠 分2 朝食後/就寝前 28日分
  • Rp. 3 ナゾネックス®点鼻薬(56噴霧) 1日1回両鼻1噴霧 1本
  • Rp. 4 エピペン®注射液0.3mg 発作時 2本
    有効期限切れ更新処方(古いものを医療用廃棄物として回収してください)
  • Bちゃん 5歳女児 100cm 16kg 8歳の姉がいる(姉はアレルギーなし)
  • 近医内科小児科(アレルギー専門医ではない)にイベントのある時のみ受診
  • 産休後すぐの復職のためミルク栄養
  • 3カ月時、市販粉ミルクを使用したところ口周りに発疹
  • 受診時検査結果:
    非特異的 IgE133、牛乳特異的 IgE5.3、カゼイン特異的 IgE1.7、卵白特異的 IgE7.8、オボムコイド特異適 IgE5.73
    エレメンタルフォーミュラ®をニューMA-1に変更。離乳食開始後も卵、牛乳加工品も含め完全除去の指示を受けた
  • 保育園では卵、牛乳除去のため給食対応できず、先生と職員室で母親の作ったお弁当を食べている
  • 完全除去を続けているためアレルギー症状はその後一度もなく、定期受診はない。精密検査も受けていない
  • 本日、姉妹で感染性胃腸炎のため受診

処方薬

  • Rp. 1 クラリス®DS10%   2.0g 分3 毎食後 5日分
  • Rp. 2 ナウゼリン®坐薬30mg    吐き気時 3個
  • Rp. 3 カロナール®細粒20%  1.0g 発熱時 5回分
  • Rp. 4 ラックビー®R散    1.5g 分3 毎食後 5日分
  • Rp. 5 タンナルビン      1.5g  分3 毎食後 5日分

投薬時に、それぞれの母親から以下の質問を受けました。

◎A君の母親から

  • 「先生の指示で注射薬を常に持ち歩いており、学校にも預かってもらっています。学校には迷惑をかけている気がします」
  • 「ハムやソーセージは食べますし、自宅ではお菓子やパンも少しずつ食べています。学校では量の確認ができないので除去してもらっています」
  • 「あちらのお子さんは、小さいときから乳製品を完全に除去されていて、加工品も全て除いているそうですが、注射薬は持っていないそうです。そんなに重症なお子さんでも注射薬を使わないなら、うちの子はどうして常に持ち歩かないといけないのでしょう?やめられないでしょうか?」

◎Bちゃんの母親から

  • 「赤ちゃんのときにアレルギーと言われ、卵、牛乳や加工品は絶対家に置かないようにしています。アレルギーのないこの子の姉まで同じ食生活になり、姉の成長が心配です。他の子より小さい気がして・・・」(姉の見た目は、確かに小さい印象)
  • 「もしアレルギーが起きたら命に関わると先生から聞いて、怖くて卵や牛乳を買わないようにしています。姉も納得してくれていて、友達と同じお菓子が食べたいときは自宅以外で食べるように言っています」
  • 「共働きで大変ですが、食事は私が作ったものにしています。おやつも自分でつくるか、買う場合は原材料を確認しています」
  • 「"もしも"が怖くて仕方ありません。緊急時の注射があると聞き、うちもほしいのですが・・・」

[出題]
●上荷裕広/すずらん調剤薬局 ●近藤佳代子/社会医療法人財団新和会 八千代病院 ●三浦哲也/アップル薬局

[スーパーバイザー]

●冨家俊弥/医療法人同愛会小澤病院 薬剤部長 昭和大学薬学部病院薬剤学講座 兼任講師
●石川洋一/明治薬科大学薬学部 教授 (前)国立成育医療研究センター薬剤部長

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