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調剤待ち時間中の患者さんに話しかけるって、ええで☆

アツい薬局をつくったる!#11 神田佳典 絵・ぺお

2018年09月04日 08:00

 まいど! 薬局の管理薬剤師けいしゅけ(@keisyukeblog)です。

 調剤薬局って、患者さんが処方せんを渡して下さってから調剤が始まり、投薬が終われば患者さんは帰っていく。まぁ、当たり前の流れがあります。処方内容によっては軟膏の混合が多かったり、一包化の内容が濃かったりして待ち時間が長くなってしまうことがあるんですよね。余裕があるときしかできないのがネックではありますが、そんな待ち時間が長くなってしまうときにできる、ちょっとした行動について、話をしようと思います。

876320_fire.jpg待ち時間を患者さんと会話する時間に変えてしまおう作戦

 そのまんまやん!

 これは、僕の職場の頼れるエース薬剤師のAさんが実行しているのをパクった作戦です(笑)。

 彼女が行っているのは、見た目にはカンタンなことなんです。自分の手が空いていて、かつ、患者さんの待ち時間が長い状態になってしまったときに『退屈な時間=待ち時間が長い』と思わせないように、話しかけにいくのです。

 単純に、時間がかかる処方内容であることや、今現在、どういった進行具合であるかを伝えるのに留まることもありますが、処方内容から患者さんの容態を察することができる場合には、相手に負担のない範囲で軽い会話をするのです。

 例えば、「こんにちは。今日の診察で先生と話したのって...」と話しかけに行くことがあったり、相手が妊婦さんの場合には「こんにちは。そのカバンかわいいですねぇ〜。ところで...」などといったように。

 ーーほほぅ、なんか感じええやんっ!僕もやってみたろっと!

 意気込むけいしゅけ。しかし、これ、見た目ほどカンタンではないねん。なぜなら、ちゃんと患者さんの様子を察していないと、患者さんの待ち時間という自由な時間を侵害してまうからね。そらそうや、話しかけてほしくない人だっているわいな。

 そう言うたかて、見た感じだけでわからへん場合なんかざらや。

 そうか...そやからこそ、「こんにちは!」という挨拶から話を始めはったんや!

 Aさんは、あの挨拶に対するリアクションで、単純に待ち時間の説明をして戻るか、ここは世間話なども交えて人間関係を作る時間にしようっていう対応を分けてはったんやわ。僕はそう思った。

 要するに、相手の心情を推し量る観察眼・感性が必要ってことなんですわ。

 あっぱれAさん、さすが僕が尊敬する薬剤師の鑑!そうやって勝手に嬉しくなり、本人にも常々「投薬とか含めて患者さんとのコミュニケーションはホンマに上手いんよねぇ。いつも見て勉強させてもらってますわぁ。早い話、見て盗めるところを盗ませていただいてます!あざっす☆」などとフィードバックしています。

876320_fire.jpgのサムネイル画像え?そんなことして何の意味があるの?そんなに暇なの?

 あえて反論していくで。この取り組み、最初にも言った通り、時間的な余裕があるときにしかできないという弱点はあるねん。せやけど、確かに側から見たら「そんな時間的な余裕ありますのん?暇やから実行できるんちゃうん?」なんて意見もあろうかと思う。

 でも違う。暇なんかとちゃいます。むしろ、忙しいからこそ、ホンマに数分だけでも患者さんのために退屈な時間を感じさせないようにしたろうやんけ!そのための時間をつくったる!って努力してつくった時間だったりするねん。この時間を捻出するために、他のスタッフが時間のかからない処方せんは手早く調剤して投薬を行う。そうバックアップしてますねや☆

 また、待ち時間に話しかけに行くことは無意味?と問われれば、ちゃいまんで?と答えます。

 投薬の時間って「薬の説明を受け、自分の症状を聴かれ、最後にお金を払う時間」という認識が、無意識に薬剤師にも患者さんにも働いているように僕は感じんねんけど、みなさんどう思いますか?

 けどね、待ち時間に「ちょっとお話ししぃひん?」ってフランクな雰囲気で話をすると、投薬台での会話とは全く違った本音や、潜在的に患者さんが聴きたいことを質問してもらえたりすることがしばしばあるねん。ほんで、それに対して真摯に答えることができたときに得られる信頼関係。これってムッチャ大きいんよね。なんでか言うたら、患者さんが僕たちの薬局のファンになってくださることがあるから。

 例えば、今までいただいた言葉にはこんなものがあったから紹介させてぇな。

「今日はAさんおらんのかいな? いる時間を狙って来てんのになぁ(笑)ってこんなん言うてたらストーカーみたいかw けど、ホンマに丁寧に話を聴いてくれるから、ありがたいねん。本人に言うといてや!」

「この薬局は、患者を人として大事にしてくれる。そんな雰囲気がある。Aさんが話しかけてくれて、なんか安心したの。これからも来るわね」

「先生(一応、僕のことです)、いつも私の体調を気にかけてくれるのね。わざわざ待ち時間にこちらに来てくださるのって、嬉しいものよ」

「最近おらんかったやろ? もしいなくなったら薬局変えようか思てたで! 兄ちゃんと話をするのんおもろいから」

 これってどやさ? すごない? 僕はAさんの行動が生んだ患者さんのこうした言葉に「アツいやんっ!」って思てます。

876320_fire.jpgのサムネイル画像やっぱりさ、薬剤師と患者さんの前に、人間同士やってことなんちゃうかな?

 ここまでの話を整理します。

  • 待ち時間が長くなりそうな処方を受け付けた際に、時間の余裕を作っては待っている患者さんに話しかけに行く。フランクな会話から患者さんを知ろうとするためにも
  • ただしゃべりに行く余裕があるわけじゃない。その裏には、他のスタッフとの連携で、時間を作り出しているのだ!
  • 結果は、患者さんからの信頼を得るということで返ってくる
  • やらしい話、結果的に薬局の売り上げにつながる
  • っていうか、とにかく薬局スタッフにも薬局にも「アツい」空気感が生まれる
  • 働き甲斐ってやつかな...フッ(キラーン✨)

takotyukeodoroki.png(やばい...先生が調子に乗っている)

 最後に。

 ちなみに、Aさんはパート薬剤師で、かかりつけ薬剤師としての要件を満たしていません。しかし、彼女には「かかりつけ患者さん」が少なくとも5名存在しています。

 僕は、これこそが本来のかかりつけ薬局なんちゃいますのん?なんで週当たりの時間数でかかりつけ薬剤師としての算定要件が満たせないのん?ーーそう感じています。だって、薬剤師と患者さんが人間同士としてこんなにも信頼関係を築けているのに!!

 薬局と患者さん、薬剤師と患者さんの結びつきを強くする行動の1つとして、待ち時間に話しかけるって、アツいって思うんですよね☆

【コラムコンセプト】

けいしゅけが仲間たちとつくる理想の薬局!そこに待ち受けるさまざまな困難とは?困難に真っ向から対峙しさらなるアツさをたぎらせるけいしゅけが繰り出す必殺技の数々、震えて待て!

【神田佳典氏プロフィール】

keisyuke_prof_white.jpg総合病院前の調剤薬局で薬局長として働く薬剤師。2度の心臓手術を乗り越えて与えてもらった人生。誰かのためにその時間をアツく生きると決めました。薬剤師として誰かの役に立つにはどうしたらいいのだろう?そこで出会ったのがEBMであり、所属しているAHEADMAPでした。Passion×EBM×仲間が生み出すエネルギーを武器に、アツい調剤薬局をつくると日々奮闘中です!

ブログ:けいしゅけのブログ薬局

Twitter:@keisyukeblog

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