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分娩直前の抗菌薬で赤ちゃんのビフィズス菌が減少

その後のアレルギー疾患リスクが上昇?

2018年09月05日 15:15

 分娩直前の母体に対する抗菌薬投与が早期乳児での腸内細菌叢のビフィズス菌占有率を低下させることが順天堂大学などの研究で分かった。ビフィズス菌が少ない乳児ではアレルギー疾患の発症リスクが高くなる可能性が指摘されており、分娩直前の母体への抗菌薬投与がその原因となることが示唆される。しかし、分娩直前の抗菌薬投与は母子の安全を守るために必要であることから、こうしたケースではなんらかの介入方法の開発が望まれる。研究の詳細は、J Perinatol2018年7月24日オンライン版)に掲載された。

分娩様式による影響は否定

 この研究は、順天堂大学大学院マイクロバイオーム研究講座准教授の渡邉心氏、同大学救急・災害医学研究室教授の橋口尚幸氏、アサヒグループホールディングスコアテクノロジー研究所、岩手県立磐井病院小児科・新生児科が共同で行ったもの。

 岩手県立磐井病院で2016年1~10月に生後1カ月健診を受診した健常乳児33例の糞便を収集した。うち19例には分娩直前に母体に抗菌薬が投与されていた(帝王切開9例、前期破水6例、B群溶連菌陽性母体4例)。

 糞便中の腸内細菌を次世代シークエンサーで調べた結果、抗菌薬が投与された乳児は抗菌薬が投与されていない乳児に比べ有意にビフィズス菌の占有率が低下していた。抗菌薬が投与された乳児の中で帝王切開と自然分娩での差は見られず、分娩様式による違いはなかった。

 乳児でのビフィズス菌占有率はその後のアレルギー疾患リスクと関係する可能性が指摘されており、その原因として分娩様式や授乳栄養などが影響すると考えられている。今回の研究では分娩様式による影響は見られず、分娩直前の抗菌薬投与が関係していた。この知見はこれまで指摘されておらず、初めて明らかになった。

 研究グループは、より多くの乳児を対象にした複数年の追跡調査が必要だとしている。その研究により腸内細菌叢とアレルギー疾患発症との関係、プロバイオティクスなどによる介入試験の必要性などを検討したいと考えている。

(Medical Tribune Webより転載)

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