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9月1日~15日に各メディアで配信された健康情報のうち、「コレは押さえておきたい!」と考えたものを、独断と偏見でリストアップします。患者さんからの突然の質問に困らないよう、情報収集の一手として役立てていただけると幸いです。

医師が警告!「誤ったジェネリック医薬品選び」の危険性

https://woman.infoseek.co.jp/news/neta/joseijishin_1663246

【女性自身 9月12日】

医師の関わった記事でありながら、ジェネリック医薬品に対する偏見と誤解を招きかねない、誤った情報が女性誌に掲載されました。本文中では溶け方の差異によって効果に違いがあると書かれていますが、ジェネリック医薬品は、生物学的同等性試験によって先発品と血中濃度の推移が同等になることが確認されなければ、承認はされません。この記事を読んだ人から「先発品に戻してほしい」という訴えがあった際には、その誤りを訂正するとともに、「戻してほしい」と思うに至った背景(体調の変化や薬への不安)などにも留意しなければなりません。

※生物学的同等性試験:ジェネリック医薬品は、先発品と添加物や製剤方法が異なる場合もありますが、こうした違いが作用・効果に影響すると、薬として同じとは言えません。そのため、ジェネリック医薬品を服用した際の血中濃度推移が、先発品のそれと同等の曲線を描くことをこの試験によって確認しています。つまり、「溶け方」の差異は何ら問題にはなり得ません。

まちがいだらけの薬物依存症 乱用防止教育が生み出す偏見

https://www.buzzfeed.com/jp/toshihikomatsumoto/dame-zettai-ha-dame-1

【BuzzFeedNews 9月12日】

学校などでは「ダメ。ゼッタイ。」のキャッチコピーがよく使われています。確かに、「最初に手を出してしまう人を増やさない」という目的ではわかりやすい言葉ですが、薬物依存に対して強い偏見が生まれ、依存者の治療や社会復帰の障壁となっていることも事実です。薬物乱用防止教室などで子ども向けに話す機会も多い薬剤師は、「乱用」と「偏見」の両方を防止できる伝え方を考えていく必要があります。

反ワクチン派の政党が政権をとったイタリアで今、起きていること

https://www.huffingtonpost.jp/2018/09/11/anti-vaxxers_a_23523492/

【HUFFPOST 9月11日】

ワクチンに関する誤った情報の流布は、日本に限らず海外でも問題になっています。イタリアでは2018年8月に予防接種の義務化が廃止され、麻疹(はしか)の流行に歯止めがかけられなくなっています。インターネットやSNSでは特に、専門家ではない人の間違った情報や思い込み、誤解や偏見に触れる機会も多いですが、こうして医療に反対する人の意見の方がより刺激的・煽動的で、「感情に寄り添ったもの」になっている場合もあります。「馬鹿げた意見だ」と甘く見ることなく、正確な情報発信を冷静に続けていくことが大切です。


(参考)

◆欧州ではしかが流行、WHOが警告 ワクチン接種を呼びかけ(2018年8月21日)
https://www.bbc.com/japanese/45254908

 

【コラムコンセプト】
TV・新聞・週刊誌・インターネット......毎日さまざまなメディアから大量の健康情報が配信されます。それを見た患者さんが「こんな情報を見たけれど、私の治療って大丈夫?」と聞いてきたらどうしますか?医療や薬に関する情報は、命に関わるもの。正確さ、専門性が求められます。薬剤師は薬の専門家として、患者さんの持ち込んだ情報が適切かどうかを判断し、対応しなければなりません。このコラムでは毎月、世間を賑わした健康情報をリストアップし、必要に応じて解説します。患者さんからの突然の質問に困らないよう、情報収集の一手として役立てて頂ければ幸いです。

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【児島 悠史氏 プロフィール】
京都薬科大学大学院修了後、薬局薬剤師として活動。「誤解や偏見によって生まれる悲劇を、正しい情報提供と教育によって防ぎたい」という理念のもと、日々の服薬指導のほか、Webサイト「お薬Q&A~Fizz Drug Information」を運営。医学論文などを情報源とした信頼性のある医療情報や、国民の情報リテラシー向上を目的とする記事を配信。近著は、「薬局ですぐに役立つ薬の比較と使い分け100」。

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