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薬剤師必読!最新論文解説/ほぼ2つに絞られた糖尿病第二選択薬

2018年11月07日 11:35

北里研究所病院 糖尿病センター長 山田 悟

レポートの概要:薬物療法のアルゴリズムが大きく変更

 今年(2018年)10月1~5日、ドイツ・ベルリンで欧州糖尿病学会(EASD)の年次学術集会が開催された。ここにおいて米国糖尿病学会(ADA)/EASDの2型糖尿病治療法についての合同レポートが報告され、即日Diabetes Care2018年10月4日オンライン版)に掲載された。

 両学会の合同声明は2006年に初版が出され(Diabetes Care 2006;29:1963-1972)、以後、2009年(Diabetes Care 2009;32:193-203)、2012年(Diabetes Care 2012;35:1364-1379)、2015年(Diabetes Care 2015;38:140-149)と改訂を重ねてきた。今回で改訂5版ということになる。

 既に、今年6月に米・オーランドで開催されたADAにおいて原案が提示されており、10月のEASDで確定されたという流れである。予想されていたことなのであるが、薬物療法のアルゴリズムが大きく改訂された。

 すなわち、これまでのアルゴリズムではメトホルミンが第一選択薬で、第二選択薬としては他の薬剤(SU薬、チアゾリジン薬、DPP-4阻害薬、SGLT2阻害薬、GLP-1受容体作動薬、基礎インスリン)が並列に提示され、低血糖の有無、体重への影響、費用を基に患者ごとに選択することになっていた。

 しかし、今回の改訂では(メトホルミンが第一選択薬ということに変更はないものの)、第二選択薬については、まず心血管疾患(CVD)の既往や慢性腎臓病(CKD)合併の有無で患者を選別し、CVDの既往があったり、CKDを合併したりする患者ではSGLT2阻害薬あるいはGLP-1受容体作動薬を選択するようにした。また、体重減量が必要な患者でもSGLT2阻害薬あるいはGLP-1受容体作動薬を選択するようにしている。それ以外の患者で切実に低血糖を避けるべき患者ではSGLT2阻害薬、GLP-1受容体作動薬の他にDPP-4阻害薬とチアゾリジン薬も選択してよいとしている。

 CVDの既往もCKDの合併も体重減少の必要性もなく、低血糖を避ける必要性が切実でない患者で、費用が最大の問題となる患者のみでSU薬とチアゾリジン薬が第二選択薬とされている。

 つまり、ほとんどの患者でSGLT2阻害薬かGLP-1受容体作動薬が第二選択になるという、極めて大きな変更である。わが国における糖尿病臨床にも大きな影響を与えるものと予想され、ぜひご紹介したい。

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