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BCGワクチンに規格値を超えるヒ素

厚労省「新製品への切り替え、交換速やかに」

2018年11月13日 11:30

BCGワクチンに規格値を超えるヒ素

 厚生労働省は11月8日、乾燥BCGワクチンの添付溶剤(生理食塩液)の一部製品から規格値を超えるヒ素が検出された事例について、薬品等安全対策部会安全対策調査会で議論を行ったと発表。問題の製品に含まれるヒ素が全量体内に注入されたとしても安全性に問題はないが、規格値を超えていることから、厚労省では「新製品への切り替え、交換を速やかに行うべき」としている。

この記事のポイント

  • ・乾燥BCGワクチン(経皮用・1人分)の使用時にワクチンを溶解するための溶剤(0.15mL)中に、ヒ素が検出された。検出されたヒ素の濃度は安全性に問題ないレベルと評価された
  • ・厚労省では製造販売を行う日本ビーシージー製造に対し、11月中旬〜下旬には材質変更したアンプル容器を用いた生理食塩液(ヒ素濃度が規格値以下であることを確認済み)を添付した製品への切り替え、交換を速やかに行うよう指導
  • ・厚労省は、今後は最終製品中のヒ素濃度を確認して品質確保すべきとし、医療機関の混乱を避けるため、今回の内容の周知を徹底するよう呼びかけている

 日本ビーシージー製造が製造販売する乾燥BCGワクチン(経皮用・1人分)の使用時にワクチンを溶解するための溶剤(0.15mL)中に、日本薬局方における生理食塩液の規格値(0.1ppm以下)を超える最大0.26ppmの濃度のヒ素が検出された。同製品は以前から使用されていたものであるが、今回検出されたヒ素の濃度は安全性に問題ないレベルと評価された。

 ICH Q3D「医薬品の元素不純物ガイドライン」におけるヒ素の1日当たりの許容曝露量は15μg(体重50kg換算)とされている。そのため、生理食塩液0.15mL中のヒ素濃度が0.11〜0.26ppmのBCGワクチンを接種し、アンプル容器中のヒ素が全量体内に注入されても、ワクチン接種対象児の体重(5〜10kg)換算では1日許容曝露量の38分の1〜77分の1程度だという。

 ヒ素が規格値を超えた原因について同社が調査した結果、生理食塩液を提供するアンプル容器にヒ素が含有されており、充塡後に、熱を加えて密封する工程(熔封)でヒ素がアンプル容器から溶け出て生理食塩液に混入したことが判明した。

今後は最終製品中のヒ素濃度を確認すべき

 当該事実の判明後、同社は当該製品の市場への出荷を控えているが、厚労省では同社に対し11月中旬〜下旬には材質を変更したアンプル容器を用いた生理食塩液(ヒ素濃度が規格値以下であることを確認済み)を添付した製品への切り替え、交換を速やかに行うよう指導している。また、「今後は、最終製品中のヒ素の濃度を確認することによって品質を確保すべき」としている。

 この件について、厚労省は「十分な情報が伝わらないことによって医療機関などに混乱が生じないよう、乾燥BCGワクチンを接種する医療機関および関連学会、関連団体、自治体などに対して今回の内容の周知を徹底する必要がある」と指摘している。

医薬品規制調和国際会議(ICH)は医薬品規制当局と製薬業界の代表が協働して医薬品規制に関するガイドラインを科学的・技術的な観点から作成する国際会議。ICH Q3Dはその会議において作成されたガイドラインの1つ

(Medical Tribune Webより転載)

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