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糖尿病第二選択薬は2クラスが中心に

ADA/EASD合同レポート

2018年11月14日 10:50

(図) 2型糖尿病における薬物療法のアルゴリズム

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 米国糖尿病学会(ADA)/欧州糖尿病学会(EASD)の2型糖尿病治療についての合同レポートが発表された(Diabetes Care 2018年10月4日オンライン版)。両学会による合同治療指針が発表されるのは2006年以来5回目で、今回は3年ぶりの改訂となる。注目の改訂点は第二選択薬の位置付けで、これまでの横並び推奨から、SGLT2阻害薬とGLP-1受容体作動薬を中心とする体系に改められた(関連記事「ほぼ2つに絞られた糖尿病第二選択薬」)。

この記事のポイント

  • 米国糖尿病学会(ADA)/欧州糖尿病学会(EASD)の2型糖尿病治療についての合同レポートが発表された。
  • 患者ごとに使い分けが推奨されていた第二選択薬が、SGLT2阻害薬とGLP-1受容体作動薬を中心とする体系になった。
  • 基礎インスリンが第二選択薬から外れた。

動脈硬化・CKD既往例にはSGLT2阻害薬かGLP-1受容体作動薬

 今回の合同レポートでは、薬物療法のアルゴリズムが提示され、治療の第一ステップにはメトホルミンが包括的生活習慣改善と並んで位置付けられた()。

 大きく変わったのは、メトホルミンに次ぐ第二選択薬の扱いである。これまでは、SU薬、チアゾリジン薬、DPP-4阻害薬、SGLT2阻害薬、GLP-1受容体作動薬、基礎インスリンが並列に提示され、低血糖の有無、体重への影響、費用などを勘案し、患者ごとに使い分けることが推奨されていた。

 これに対し、今回は動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)や慢性腎臓病(CKD)の既往例にはSGLT2阻害薬かGLP-1受容体作動薬が推奨された。ただし、ASCVDの面からは両薬剤が並列の扱いだが、心不全・CKDの面からはSGLT2阻害薬が優先であり、GLP-1受容体作動薬は推算糸球体濾過量(eGFR)などから判断してSGLT2阻害薬が使用できない場合の選択肢とされた。

 なお、SGLT2阻害薬、GLP-1受容体作動薬のクラス内の薬剤選択については、CVD抑制効果が証明されている薬剤を優先すべきだとされ、SGLT2阻害薬についてはエンパグリフロジン>カナグリフロジンの順で、GLP-1受容体作動薬についてはリラグルチド>セマグルチド>エキセナチド徐放剤の順でエビデンスが強いことが付記された。

 一方、ASCVDやCKDの既往がない場合には、①低血糖②体重③費用−の面から第二選択薬が提示された。

基礎インスリンは第二選択薬から外れる

 ①の面からは、SGLT2阻害薬、GLP-1受容体作動薬に加え、DPP-4阻害薬、チアゾリジン薬の計4クラス薬が、②の面からは、SGLT2阻害薬、GLP-1受容体作動薬がそれぞれ並列の扱いで推奨された。③の面からの推奨薬はSU薬とチアゾリジン薬である。基礎インスリンは第二選択薬から外れ、第三選択薬以降で位置付けられた(では第三選択薬以降は省略)。

 日本の糖尿病ガイドラインは、患者の病態に合わせて医師の判断で薬剤を使い分ける立場を取っており、薬剤の序列を明確にする欧米との違いが浮き彫りになっている。

(Medical Tribune Webより転載)

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