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レスパイト入院は服薬管理の簡素化を念頭に 薬剤師ができる介護者のサポートを考える

2018年11月19日 15:35

レスパイト入院は服薬管理の簡素化を念頭に 薬剤師ができる介護者のサポートを考える

角山 美穂

 在宅患者さんのお役に立ちたくて、在宅専門薬局を立ち上げたのが2009年11月。1人薬剤師 兼 ケアマネとして、24時間体制で頑張っています!

【PharmaTribune2013年2月号掲載】

介護者の負担を思うと...

 私が居宅療養管理指導をお受けしている患者さんのひとりにALS(筋萎縮性側索硬化症)の方がいます。介護者は奥様のみなので、その一時休養のために2〜3か月に1回、2週間程度のレスパイト入院(介護者の休養を目的とした一時的な入院で、医療保険の対象)をしています。介護保険制度でいうショートステイと同じような考え方ではないかと思います。

※介護者が用事で家を留守にする場合や、介護疲れにより休養を必要とする場合などに、特別養護老人ホームなどの福祉系施設あるいは介護老人保健施設などの医療系施設に短期間入所できるサービス

 私が関わる前は、入院時にその期間中の薬を持参し、退院時には病院で調剤した1週間分の薬を持って帰宅......と、医師同士で取り決めていたようです。

 ここで問題となったのが調剤方法の違いでした。 私は基本、簡易懸濁法を取り入れていますが、病院側は全て粉砕調剤または散剤対応

 病院では、薬を管理し胃瘻からの注入を行うのは看護師さんですが、在宅で胃瘻から注入を行う介護者は奥様のみです。奥様から私のところに「退院しました」とお電話があると訪問し、持ち帰った薬を薬カレンダーへ1時間ほどかけてセットしていました。沢山の薬の全てが粉砕されており、別包にしてある薬は朝だけでも13包、昼は7包。私のセットする作業もなかなか大変ですが、これを1日4回胃瘻部から栄養剤の後にチューブを詰まらせないように注入する奥様の介護の負担を思うと、ありえない!!!

 介護者の仕事は、痰の吸入・オムツ交換・意思伝達装置『伝の心』等を用いたコミュニケーション・血糖測定・インスリン注......。いくら訪問看護師やヘルパーなどのサポートが入っているといっても大変です。だから、私が薬剤師として思うのは「もっと、薬剤管理を簡素化してあげたい!」

 そこで、「患者さんには退院時に薬を持たず、手ぶらで帰っていただきたい。だから、退院日に往診して処方していただくことはできないか」往診医に提案、了解していただきました。以来、在宅ではほとんどの薬剤を粉砕せず、簡易懸濁法用に錠剤のまま一包化したため、取り扱いが簡素化できました。また、レスパイト用の薬の準備は私の仕事の1つです。持参薬についての薬情も入れて、そこには簡易懸濁法が適さないのでやむなく粉砕した薬が分かるように記載するなど、連絡帳代わりに使用しています。

 同じように、ショートステイをご利用の患者さんの介護者が高齢の場合、3泊4日とはいえ薬の準備は難しいようです。ですから、薬に関しては、私が荷作り係。ケアマネからいただく『サービス提供票』で日程を確認し、ショートへ持参分の薬は定期薬・緊急時の予備薬・外用薬をひとまとめにして注意事項を記載した薬情を同封します。薬カレンダーセットもショート中は虫食いにします。

 短期の入院・入所は、準備に手間取ると、介護者の休養のために利用するにもかかわらず、かえって負担となりかねません。その負担が軽減できるように、薬剤管理はその方の生活の状況に合わせて日頃からああでもない、こうでもないと介護者と話し合いながら行っています。また、入所先からも薬に関して不明な点は直接私にお問い合わせいただける関係が築け、連携もスムーズです。

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