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ダパグリフロジンに心不全、腎障害抑制効果

心血管安全性を確認

2018年11月21日 14:35

 2型糖尿病患者における主要心血管イベント(3ポイントMACE:心血管死、非致死性心筋梗塞、非致死性虚血性脳卒中の複合)に関して、SGLT2阻害薬ダパグリフロジンのプラセボに対する非劣性が示され、心不全による入院、腎イベントの発生も抑制された。米・Brigham and Women's HospitalのStephen D. Wiviott氏らが、心血管疾患の既往または危険因子を有する2型糖尿病患者1万7,000例超を対象にした第Ⅲ相ランダム化比較試験DECLARE-TIMI58の結果を米国心臓協会学術集会(AHA 2018、11月10~12日、シカゴ)で発表、N Engl J Med2018年11月10日オンライン版)に同時掲載した。

この記事のポイント

2型糖尿病患者において、SGLT2阻害薬ダパグリフロジン群はプラセボ群に対し、

  • 心不全での入院、腎イベントの発生が抑制された。
  • 主要血管イベントについては、抑制効果はなかった。
  • 糖尿病ケトアシドーシスの頻度が高かった。

対象の約60%は心血管疾患のない高リスク群

 DECLARE-TIMI58試験の対象は成人2型糖尿病患者1万7,160例で、うち6,974例(40.6%)は心血管疾患の既往歴を有する患者、1万186例(59.4%)は明らかな心血管疾患はないが複数の心血管危険因子を有する高リスク患者であった。対象をダパグリフロジン群(8,582例、平均年齢63.9歳)またはプラセボ群(8,578例、同64.0歳)に1:1でランダムに割り付け、中央値で4.2年追跡した(延べ6万9,547人・年)。

 Cox比例ハザードモデルによる解析の結果、安全性の主要評価項目とした3ポイントMACEに関して、95%CI上限が事前に設定した非劣性マージン1.3を下回り、ダパグリフロジンのプラセボに対する非劣性が示された(非劣性のP<0.001)。

心血管イベント抑制効果は認めず

 有効性の主要評価項目の1つとした3ポイントMACEの発生は、ダパグリフロジン群でプラセボ群に比べて低頻度であったが、統計学的に有意ではなかった〔ダパグリフロジン群8.8% vs. プラセボ群9.4%、ハザード比(HR)0.93、95%CI 0.84~1.03、優越性のP=0.17、〕。

図. 有効性の評価項目

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N Engl J Med 2018年11月10日オンライン版)

 なお、同じSGLT2阻害薬であるエンパグリフロジン、カナグリフロジンは3ポイントMACEを有意に抑制しており、明暗を分ける結果となった。しかし、対象の違いなどがこの違いに影響しているかどうか、慎重な解析が求められる。

 一方、もう1つの有効性の主要評価項目である心血管死または心不全による入院の複合評価項目では、ダパグリフロジン群でプラセボ群に比べて有意な減少が認められた(4.9% vs. 5.8%、HR 0.83、95%CI 0.73~0.95、優越性のP=0.005)。ただし、これは心不全による入院の減少(2.5% vs. 3.3%、同0.73、0.61~0.88)が反映されたもので、心血管死に関しては有意差がなかった(2.9% vs. 2.9%、同0.98、0.82~1.17)。

ケトアシドーシスが高率

 有効性の副次評価項目とした腎複合アウトカム〔推算糸球体濾過量(eGFR)が40%以上低下して60mL/分/1.73m2未満となる、末期腎疾患の新規発症、腎疾患または心血管疾患による死亡〕の頻度は、ダパグリフロジン群がプラセボ群に比べて低かった(4.3% vs. 5.6%、HR 0.76、95%CI 0.67~0.87)。

 一方、ダパグリフロジン群はプラセボ群に比べて糖尿病ケトアシドーシスの頻度が高く(0.3% vs. 0.1%、HR 2.18、95%CI 1.10~4.30、P=0.02)、投与中止に至った重篤な有害事象と判定された性器感染症の頻度も高かった(0.9% vs. 0.1%、同8.36、4.19~16.68、P<0.001)。

 Wiviott氏らは「 心血管死または心不全による入院の複合評価項目の結果は、各種のサブグループ解析でも同様であった。心血管疾患の既往歴の有無を問わず、幅広い患者群においてダパグリフロジンが心血管イベント、特に心不全による入院を予防したことを示している」と結論した。

(Medical Tribune Webより転載)

https://medical-tribune.co.jp/news/2018/1116516999/

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