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20年ぶりの新規爪白癬治療薬どう使う?

2018年11月27日 13:50

20年ぶりの新規爪白癬治療薬どう使う?

 東京女子医科大学東医療センター皮膚科講師の石崎純子氏は第62回日本医真菌学会(9月8~9日)のシンポジウム「爪白癬治療の標準化に向けて」で、20年ぶりとなる新規の爪白癬治療内服薬として今年(2018年)に発売されたホスラブコナゾールの特徴を解説した。比較的投与期間が短く併用禁忌薬がないことなどの利点を挙げる一方で、肝機能障害の副作用が報告されているため血液検査を投与前および定期的に行う必要があることを強調。「症例数を増やし、長期観察による完全治癒率、再発・再燃率を検討することで、爪白癬治療の良い選択肢になることを期待したい」と述べた。

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この記事のポイント

  • ◆20年ぶりに発売となった新規の爪白癬治療内服薬ホスラブコナゾールの国内第Ⅲ相試験結果
  • ◆投与終了半年後から改善症例が増えてくる
  • ◆全ての症例で肝機能検査を行うことが望ましく、併用禁忌にも注意
  • ◆多剤と比較すると、利点は①内服用法が分かりやすい②投与期間が比較的短い③併用禁忌薬がない。注意点は①投与検討例が少ない②肝機能障害の副作用を考慮し投与前および定期的に検査が必要

投与終了半年後から改善症例が増えてくる

 ホスラブコナゾール(商品名ネイリン)は、現在の爪白癬治療内服薬の主軸であるイトラコナゾールの広い抗真菌スペクトル、抗真菌活性に加え、内臓真菌症治療薬であるフルコナゾールの薬物動態、安全性を兼ね備えたトリアゾール系抗真菌薬として開発されたラブコナゾールのプロドラッグである。

 国内第Ⅲ相臨床試験では、ホスラブコナゾール(ラブコナゾールとして100mg)連続投与(101例)とプラセボ投与(53例)がそれぞれ12週間行われ、その後36週間観察された。対象症例は、20~74歳の第1足趾の爪白癬患者で罹患面積25%以上。楔型、混濁部が近位爪郭に及ぶ表在型、著しい肥厚は除外とした。つまり対象は全て遠位側縁爪甲下爪真菌症(DLSO)に含まれる。

 その結果、最終的な完全治癒率は、プラセボ群が5.8%であるのに対しホスラブコナゾール群が59.4%と有意に高かった。ホスラブコナゾールによる累積の完全治癒率を見ると、投与終了時の12週ではわずか1%、24週でも2%だったが、36週には14.9%、48週には59.4%に上昇した。石崎氏は「投与終了から半年でプラセボ群に比べ有意になっており、以降で改善が明らかになっていくのが特徴」とまとめた。

 副作用で最も多かったのは、γ-GTP、ALT、AST、アルカリフォスファターゼ(AI-P)の増加の肝機能検査値異常。副作用症例101例中17例で16.8%(そのうちγ-GTPのみの増加は8例)だった。多くはグレード1の軽症例で、全例が投与中止により軽快回復している。臨床症状は確認されなかった。

 同氏は「6人に1人が軽症でも肝機能検査値の増加が起きている。臨床症状が報告されていないので、臨床症状が確認できたときには悪化している可能性がある」と強調。投与前の肝機能評価のフローチャート(表1、虎の門病院・荒瀬康司氏提供)を示した上で、「全ての症例で肝機能検査を行うことが望ましいと解釈できる」とした。

表1. ホスラブコナゾール投与前の肝機能評価のフローチャート

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 投与中の肝機能検査をいつ行うべきかが明確に示されていないことにも同氏は触れ、「臨床試験では投与期間後半に肝機能指標の上昇が見られた点、爪中薬剤濃度が投与8週ごろからMIC90を超える点を考え合わせると、特に投与8週後に再検査を行う意義が高い」と推奨をした。

 イトラコナゾールでは併用禁忌薬が多く、他剤服用例への投与が大幅に制限されているが、ホスラブコナゾールでは併用禁忌薬はない。ただ、併用注意薬として、シンバスタチン、ミダゾラム、ワルファリンが挙げられている。

 同氏は、他剤と比較したホスラブコナゾールの特徴(表2)をまとめ、①内服用法が分かりやすい②投与期間が比較的短い③併用禁忌薬がないーといった利点を挙げる一方で、①投与検討例が少ない②肝機能障害の副作用を考慮し投与前および定期的に検査が必要-と注意点も示した。

表2. 爪白癬内服治療薬の比較

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(Medical Tribune Webより転載)

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