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11月15日~30日に各メディアで配信された健康情報のうち、「コレは押さえておきたい!」と考えたものを、独断と偏見でリストアップします。患者さんからの突然の質問に困らないよう、情報収集の一手として役立てていただけると幸いです。

薬局6万店、再編の風圧 手厚い報酬に問われる機能

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO38134520T21C18A1MM8000/

【日本経済新聞 11月24日】

薬局薬剤師の職能が、あまりにも目に見えにくいのは確かに問題です。しかし、薬剤費の高騰などを無視し、薬局で支払う料金と薬剤師の儲けを直結させているなど、実情から離れて書かれた論説は、まるで「職業叩き」のようにも感じられ、心地良いものではありません。世間ではこういった論調も強いため、薬局薬剤師の活動・機能はもっとわかりやすくアピールしていく必要があります。


(参考)

◆薬局の利用機会が少ない人ほど、薬局機能を低く評価する傾向がある、という調査結果があります(社会薬学.36(2):78-87,(2017)

薬剤師っていらない存在なの?葛藤を抱えながら、患者を救う『アンサングシンデレラ』

https://ddnavi.com/review/502642/a/

【ダ・ヴィンチニュース 11月27日】

病院薬剤師である主人公が、「万が一」を見逃さないために薬剤師の知識を駆使して奔走する漫画『アンサングシンデレラ』の1巻が発売され、話題になっています。薬剤師としての葛藤と業務がリアルに描かれ、共感する場面が非常にたくさんあります。1つめのニュースで心が荒んだ薬剤師は、読んで初心を思い出し、やる気を充電してほしいと思います。また、薬剤師が普段何を考えて、どういった仕事をしているかを知ってもらう本としても勧められそうです。

子どものインフルエンザワクチン、受けた方が良いの?

https://www.buzzfeed.com/jp/kentahorimukai/influenza2018-2019-1

【BuzzFeedNews 11月26日】

薬局でも「ワクチン接種を受けた方が良いか?」と患者さんから聞かれることはあります。しかし、ワクチンは、薬剤師が直接扱う薬ではなく、服薬指導ともあまり関係しないため、詳しい知識を得る機会は多くありません。ワクチンに実際にどの程度の効果があるのか、接種回数は何回すべきか、卵アレルギーがある場合はどうすれば良いか、正確な情報提供をできるよう、改めて知識を更新・補強しておく必要があります。

コレステロールの救世主!血管を掃除する秘策SP

http://www9.nhk.or.jp/gatten/articles/20181128/index.html

【NHK「ガッテン」 11月28日】

EPAやDHAといった「ω-3脂肪酸」は、脂質異常症の治療薬としても使われており、それらを豊富に含む青魚は確かに身体に良いものです。しかし、体重を減らす効果が期待できるかどうかについては否定的な報告が多いほか、薬やサプリメントとして摂取した際には出血傾向や肝機能障害の副作用リスクもあります。安易に大量摂取することがないよう注意が必要です。


(参考)

◆BMIが26~40の人に、6ヶ月間「ω-3脂肪酸」のサプリメントを投与しても、体重減少の効果はプラセボと変わらない(Am J Clin Nutr.93(2):455-62,(2011) PMID:21159785

◆「ω-3脂肪酸」を7~9歳の子どもに投与しても、体重や身体活動量に影響しない(Sci Rep.24;8(1):12725,(2018) PMID:30143730

    

【コラムコンセプト】
TV・新聞・週刊誌・インターネット......毎日さまざまなメディアから大量の健康情報が配信されます。それを見た患者さんが「こんな情報を見たけれど、私の治療って大丈夫?」と聞いてきたらどうしますか?医療や薬に関する情報は、命に関わるもの。正確さ、専門性が求められます。薬剤師は薬の専門家として、患者さんの持ち込んだ情報が適切かどうかを判断し、対応しなければなりません。このコラムでは毎月、世間を賑わした健康情報をリストアップし、必要に応じて解説します。患者さんからの突然の質問に困らないよう、情報収集の一手として役立てて頂ければ幸いです。

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【児島 悠史氏 プロフィール】
京都薬科大学大学院修了後、薬局薬剤師として活動。「誤解や偏見によって生まれる悲劇を、正しい情報提供と教育によって防ぎたい」という理念のもと、日々の服薬指導のほか、Webサイト「お薬Q&A~Fizz Drug Information」を運営。医学論文などを情報源とした信頼性のある医療情報や、国民の情報リテラシー向上を目的とする記事を配信。近著は、「薬局ですぐに役立つ薬の比較と使い分け100」。

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