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薬剤師必読!最新論文解説/またしてもDPP-4阻害薬・・・安心なことも

リナグリプチンのCARMELINA試験

2018年12月06日 11:35

北里研究所病院 糖尿病センター長 山田 悟

◎記事のポイント

  • ・SGLT2阻害薬やGLP-1受容体作動薬の心血管イベントの抑制効果が示され、糖尿病薬物治療のアルゴリズムが大きく変わろうとしている
  • ・DPP-4阻害薬は既報の臨床試験で心血管イベントの抑制効果を示されていない
  • ・しかし、2018年に発表されたCARMENA試験(リナグリプチン)の結果から、腎機能の低下した患者には安心して使用できることが確認された

研究の背景:DPP-4阻害薬の既報試験はいずれも心血管アウトカムが改善せず

 米国では、新規の糖尿病治療薬が食品医薬品局(FDA)に承認されるには、既存の糖尿病治療と同等の血糖管理(HbA1c)を達成し、その上で心血管イベントを増やさないことを証明しなくてはならない。これが、FDAの2008年12月のガイドライン改訂の要点であり、それ以後に登場してきた糖尿病治療薬は心血管アウトカム試験の実施が必須になっている(Cardiovasc Diabetol 2016;15:139Diabetes Obes Metab 2018年8月8日オンライン版)。

 最近では、EMPA-REG OUTCOME(N Engl J Med 2015;373:2117-2128)、CANVAS program(N Engl J Med 2017;377:644-657)、LEADER(N Engl J Med 2016;375:311-322)、SUSTAIN-6(N Engl J Med2016;375:1834-1844)といった心血管アウトカム試験において、SGLT2阻害薬やGLP-1受容体作動薬の心血管イベントの抑制効果が示され、米国糖尿病学会(ADA)/欧州糖尿病学会(EASD)の糖尿病薬物療法のアルゴリズムが大きく変わろうとしている(関連記事「ほぼ2つに絞られた糖尿病第二選択薬」)。そんな中、取り残されている感があるのがDPP-4阻害薬である。

 既報のDPP-4阻害薬の心血管アウトカム試験はSAVOR-TIMI53(N Engl J Med 2013;369: 1317-1326)、EXAMINE(N Engl J Med 2013;369:1327-1335)、TECOS(N Engl J Med 2015;373:232-242)のいずれもが心血管イベントに対して有意な抑制を示すことはできなかった。残されているのは、CARMELINAおよびCAROLINAという、いずれもリナグリプチンの試験であり、ドイツ・ベルリンで開かれた今年(2018年)の欧州糖尿病学会(EASD2018、10月1日~5日)でCARMELINA試験の結果が報告され、11月9日にJAMAオンライン版に掲載された。そして、やはり、心血管イベントの抑制効果を示すことはできなかった。今後の薬物療法アルゴリズムの変化を確定的にするであろうこの試験の結果について、あらためて考えたい。

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