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爆誕!赤ふん坊や体操!『健高カフェ』発の健康なまちづくり

田舎の薬剤師 地域医療への貢献を模索中!〜故郷を薬剤師として支えたい〜#7

2018年12月19日 08:00

 前回は高浜町における取り組みの1つで、私も参加している「けっこう健康!高浜☆わいわいカフェ」(通称:健高カフェ)について紹介しました。今回は、『健高カフェ』で心に残っている回と、『健高カフェ』発の実現した施策について紹介したいと思います。

fugu_icon_purple.jpg『健高カフェ』で交流することも、笑いがあふれる健康な町をつくるきっかけとなる

 かれこれ20回くらい参加しておりますので、記憶にとどまっているものは多いのですが、最も心に残っている回の1つが「笑い」の回です。

「笑いと健康は関係あるのかな?」なんて思っていましたが、話題提供にて日本での興味深い研究の文献が提示されました。それがこちらです。

Laughter and Subjective Health Amoung Community-Dwelling Older People in Japan: Cross-Sectional Analysis of the Japan Gerontological Evaluation Study Cohort Data.

Hayashi K, et al. J Nerv Ment Dis 2015; 203(12): 934-942. (PMID:26649930

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図. 笑いの頻度による健康度が低い人の割合(男女別)
(2015年10月9日東京大学プレスリリースより)

 笑う頻度が少ないほど、自己評価した健康感が低い人の割合が高まるというもので、個人的にはなかなか衝撃を受けました。

 話題提供の後に行われたワールドカフェ形式での「おしゃべり」では、「どうしたら笑いが生まれるのか、増えるのか」「どうして笑う人は自分を健康と感じるのか」についての話が弾みました。ここでは、笑いが生まれる秘訣として「人との交流」が大切という意見が多く聞かれました。人と交流することで会話が生まれ、自然と笑いが生まれ、その笑いは他の人に伝染していくのではないかと。

 また、笑えるという心理状態は、ある程度心が穏やかであるということなので、自ずと健康である可能性が高くなりますし、逆に、笑うことで癒えることもあるのではないかと思います。

 さらに医療者間では、自分たちが笑顔で接すれば患者さんも笑顔になるから、できるだけ笑顔で接していきたい、という意見も聞かれました。

 そして、「まちなかに笑いがあふれているまちづくりをしていきたい」ーそんな意見もありました。まさに、この『健高カフェ』がその役割を果たしているような気がしています。

kenkocafe_laugh.jpg「笑いの話題!健康になる笑いとは!?」というテーマで、2016年12月に開催されました

kani_icon_redpurple.jpgおしゃべりから飛び出すアイデアを実現させる...それが『健高カフェ』参加の醍醐味

 さて、前回も少し書きましたが、この『健高カフェ』はおしゃべりをして終わりではなく、そこで出たアイデアをできるだけ実行していくようにしています。実行した施策の1つ「赤ふん坊や体操」を紹介します。この「赤ふん坊や体操」は「フレイル」をテーマにした回のおしゃべりがきっかけとなりました。

kenkocafe_flail.jpg2016年8月開催。「“フレイル”の話題に触れる?虚弱高齢者を減らそう!」というテーマ。ここからまさかのアイデアが実現していくとは!

「赤ふん坊や」とは、1988(昭和63)年に生まれた高浜町のマスコットキャラクターです(先日、知り合いから、なぜ『赤ふん』なのか?という質問を受けたのですが、おそらく大きな意味はありません...)。おしゃべりの中で「赤ふん坊やの唄」があることが発覚しました。町内でも「知る人ぞ知る」唄だったのですが、この唄の作曲者の奥様が『健高カフェ』によく参加されており、教えていただきました。

 そして「フレイル」の回で話題となった「介護予防体操」を組み合わせて「ご当地介護予防体操」を作ろう!ということになりました。この後、運動コーディネーターと理学療法士の監修にて「赤ふん坊や体操」が爆誕しました!それがこちらです。

 当初は「介護予防」を目的としておりましたが、最終的にはそこに「郷土愛の醸成」「子供の発育」「交流の創出」というビジョンも付加し、「小さなこどもからお年寄りまで行える『町民体操』」とすることになりました!

 現在は、動画にも登場している2人の理学療法士が町内の各種団体、保育所、小学校などを訪問し、精力的に啓発活動を行ったり、啓発のためのサブインストラクターの養成も行っております。最近では、『健高カフェ』の前の準備運動としても取り入れられております(私はもう10回以上体操をしているのですが、いっこうに覚える兆しがなく...)。

 FaceBookページ『赤ふん坊や体操プロジェクト!』で活動内容が紹介されていますので、ぜひアクセスしてみてください。

tai_icon_red.jpg『健高カフェ』発の施策が町に広がる...その喜びも共有できる!

 この『健高カフェ』にはさまざまな立場の人が集いますので、自分とは違う視点を発見したり、予想し得なかった意見の融合が起き、新たなアイデアが生まれることもあります。

 そして、ここでおしゃべりしたことが実行されていくのは、参加する者としてはとてもうれしいことでもあります。

 今後とも積極的に参加をしておしゃべりを楽しみたいですし、それとともに、少しでも施策実行にかかわっていければと考えております。

takahama_exercise.jpg『健高カフェ』でのおしゃべりから飛び出したアイデアが実現、高浜町を挙げての取り組みに広がっていきました!

【コラムコンセプト】

たくさんある薬剤師としての働き方の中から選んだ、地域に根ざして働く病院薬剤師。地域に対して何ができるのだろうかと日々考えながら業務をしています。田舎はたいへんなことも多いけど、田舎ならではのおもしろいこともすごく多いです。何か目立つことをするわけではなく、地味に細々と活動している薬剤師がたくさんいることを知っていただき、同じような境遇で働く薬剤師を少しでも勇気づけることができれば幸いです。

【野田学氏プロフィール】

NodaManabu.jpgJCHO若狭高浜病院薬剤科所属。薬学部卒業後、7年間の山口県でのチェーン調剤薬局勤務を経て、地元である福井県の病院に勤めだして5年目。生まれ育った人口1万人ほどの自然豊かな小さな町にある唯一の病院で、のほほーんと勤めながら、薬剤師・医療者・地域住民として自分に何ができるのかを日々模索中。ブログで地域での活動の様子や日々の業務で考えたことなどを書いています。

ブログ:リンコ's diary 田舎の地域医療を志す薬剤師

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