新規登録

初めてのグループホーム

2019年01月08日 08:00

初めてのグループホーム

つぼみ薬局居宅介護支援事業所(広島市安佐南区) 
角山 美穂

在宅患者さんのお役に立ちたくて、在宅専門薬局を立ち上げたのが2009年11月。1人薬剤師 兼 ケアマネとして、24時間体制で頑張っています!

【PharmaTribune2013年12月号掲載】

「グループホームへ薬を届けられますか?」

「今度OPENするグループホームへ薬を届けられますか?」 以前、ケアマネをしていた高次脳障害の患者さんの主治医が突然来局しました。それ以降、刺激的な毎日を走り回っています。

 実は2年くらい前にも一度、同じ医師からお電話で似た依頼をいただいたことがあります。その時は、お受けしたもののどう動けばよいかわからず…。「また連絡します」との言葉をそのまま受け取り、待っていました。半年くらいして医師に連絡をすると、「実は邪魔が入ってね〜」。そのような苦い経験でした。

 それでもまた依頼をいただけたものの、今回は、父が急死し、残された終末期の母を抱えてヘトヘトな状況です。とても実行可能には思えません。施設での薬剤管理は未経験なのに、安易にお話を受けて18名もの患者さんの薬の管理ができるのかと二の足を踏んでしまう思いもあります。でも、せっかくいただいたお話を「無理です」「できません」とは言いたくないし...。

 気になりながら日々の業務に追われる中、母が他界しました。半月ほどして見送りのバタバタが終息したころ、思い切ってその医師へ電話してみました。一歩を踏み出すとあっけなく、「お願いします」。前回叶わなかった、グループホームへの訪問が現実になりました。

 今思えば、前回はせっかく先生がお話をくださったにもかかわらず、こちらから何もアクションを起こさなかったのがいけなかったのかな、と。

100円ショップで準備万端

 やると決まれば、おせっかいな性格がムズムズ。

 とりあえず100円ショップへ走り、写真のような素敵なグッズを見つけ購入。バスケットは、派手な色しか置いてありませんでしたが、年を重ねるとどういう訳だかこういった色を好むようになるので、まあいいか。

 処方予定患者さんの薬を予製しておくための籠は以前、15個用意してありましたが、今回ピンク色を5個補充しました。また、薬袋代わりとなるチャック袋(写真1)を用意。それぞれに名前を貼付し、「定期の一包化薬」「薬情」「お薬手帳の紙」必要があれば「指導箋」をセットで入れて、薬歴に挟んでピンクのバスケットに入れて持参します。

00_PT60_p38_39-2.jpg

薬の責任者は各階のユニットリーダー

 グループホームは2階建てで、各階とも9人1ユニットです(居間を中心にそれぞれ個室があります)。2階の患者さんの薬歴には名前の下に緑のラインを入れて、1階の患者様たちと区別しやすいようにしました。

 各階には福祉職のユニットリーダーがいます。その方が薬の責任者なので、各リーダーへ9人分のチャック袋セットを渡します。チャック袋は患者さん1人につき2個用意しています。薬の入った袋をお渡しする際に、前回の袋(空になった方)を回収します。

 写真2の緑のファイルは薬情保管用ファイルです。患者さんごとに名前を付けて初回にお渡しします。変更点を手書きで書き添えた薬情は、毎回穴をあけて持参し、必要時に誰でも見ていただけるようにユニットリーダーにファイリングしていただいています(これは在宅の患者さんと同様です)。

 ユニットリーダーは薬に関しては素人。にもかかわらず、経験は豊富。一般の人よりも知識を持っておられるため、なかなか手ごわいです。

リーダー下剤ね〜はいはい。あの漢方みたいな匂いのする。
(アローゼンのことかしら?)下剤にも種類がたくさんあり、作用の仕方もいろいろなんです。

リーダーカマグとマグミットって同じなの?
あ、はい...。

 けれど、幾度もお逢いするうちに、少しずつコミュニケーションが取れるようになってきました。まだまだ初心者マークの訪問ですが、この試行錯誤が面白い!!!オリジナルのアイテムを、使いやすく改良していければ...と思っています。

なかなか落ち着かずヘトヘト!?

 配達開始当初は混乱も多くありました。お薬代の徴収法が分からない。一包化した個々の袋に日付を印字して持参することにしたけれど、飲み始めの日が分からない、ということもありました。

 その後落ち着いてきたかというと……「全部、一包化にして置いて来ればいいから」「隔週の木曜日に往診して、翌日に処方箋をFAXします。余分があるように出すから週明けの配達で良いよ」との当初の医師の言葉とは裏腹に、「患者さんが風邪を引いた」「嘔吐した」と、臨時の対応が続きます。 

 夜になって、「明日の朝でクレメジンがなくなります。処方されていませんでしたか?」と施設がお電話が入ったことも。 医師から「届けられる?」とご連絡をいただき、「行けません」とは言いません (笑)。日曜日の研修会の前に薬局に寄って、薬を持って訪問しました。

 Do処方に落ち着いてくることを期待してはいますが、まだ入居間もなく体調の定まらない入居者が何人かおられるため、緊急の配達や薬の変更などが続いています。

 これまでも気が抜けない生活をしていましたが、今回は人数が多いので1か月でヘトヘト。ですが、やはり面白い!

 今は、例えば服薬管理が少しでも簡素化できるように取り組んでいます。ラックビーN微粒やパントシン細粒、カマグを錠剤に剤形変更を依頼したり、痒みの酷い患者さんの薬の使用状況を皮膚症状と共に確認して医師へ保湿剤の処方を依頼したり。在宅と同じでし。私が関わりはじめて「良くなった」と感想をいただくと嬉しくなります。お話をくださった医師に感謝し、思い切り振りまわされながらも私なりの形を模索しています。

<著者紹介>
2002年、当時勤務していた薬局でケアマネの資格を習得。患者様のお宅を訪問するうちに、薬が家でどのように保管され、使用されているのかを知り、在宅での薬剤師の必要性を感じると同時に24時間対応の在宅専門薬局をしたいと言う夢を持つ。2009年11月、保険薬局兼居宅介護支援事業所としてつぼみ薬局を開局。保健所への薬局の開局時間の届出は8時〜12時、12時以降は調剤した薬の配達・管理・指導やケアマネとして居宅を順に訪問。近隣に特定の処方元の病医院はなく、2013年3月現在、6つの医療機関の医師より訪問指示書を受けている。これまでに薬剤師として居宅療養管理指導の請求を行った患者数は約30名。ケアマネとして居宅介護支援を行った患者数は約40名、訪問依頼書をいだいた医師は9名。患者の内訳はALS、がん、認知症、COPD、老衰等。1人あたりの平均サービス提供期間は9.2か月、最短は4日というケースもある(終了理由は入所・入院・死亡)(2013年当時)。

トップに戻る