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薬剤師は地域のネットワークに入ってない!?

2019年01月15日 20:03

薬剤師は地域のネットワークに入ってない!?

つぼみ薬局居宅介護支援事業所(広島市安佐南区) 
角山 美穂

在宅患者さんのお役に立ちたくて、在宅専門薬局を立ち上げたのが2009年11月。1人薬剤師 兼 ケアマネとして、24時間体制で頑張っています!

【PharmaTribune2014年2月号掲載】

地域のネットワークに「薬剤師会」の記載が見当たらない!

 私は薬剤師である傍ら、居宅介護事業所のケアマネでもあります。2013年11月某日、安佐南区における地域包括ケアについて」という地域のケアマネ会議に参加しました。そして、配布された資料を見て大きなショックを受けたことを覚えています。

 資料には地域包括支援センターの連携団体として、8団体の名前が掲げてありました。医師会・歯科医師会・訪問看護ステーション・社会福祉協議会・民生委員児童委員協議会・老人クラブ・居宅介護支援事業所・司法書士会、以上。

 ……え〜!!薬剤師会は!!???

 そう……薬剤師会の記載がなかったのです。国が進める「地域包括ケア」のネットワークに、薬剤師は当然入るでしょ!と思っていたのですが。薬剤師は、社会の視界に入っていないようです。

 日々の業務や患者さんからの相談などに追われながらも、「コツコツとやり続けていれば、薬剤師が社会資源として認められる日がきっと来る」と信じて働いています。実は、薬局や理美容院、喫茶店(定食屋さん)、雑貨店等の情報共有ネットワークがここ1年位でできかけており、よい方向だわ〜と自負していた矢先だっただけに、これからどう動けば良いんだろう...とブルーになりました。

それならば 地域の個人商店と繋ぐネットワークを

 ケアマネとしての私宛には、ヘルパー、デイサービス、訪問歯科、高齢者専用賃貸住宅、グループホームなどのダイレクトメールが1日1件以上の割合で届きます。営業の方も来ます。介護保険業界の市場は大きく、お金になるのだろうと感じています。しかし、私は介護で営利に走ってはダメだと考えています。あくまで社会貢献。障害を持ち、何らかの支援を必要とする方の自立をサポートし、その方が主体性を持って生活するためのサービスでなければいけないと思っています。

 そのサービスの中で活用してもらえるはずと、薬剤師の活動を認知してもらうための取り組みを行っています。1つに、冒頭に述べた薬局・理美容院・喫茶店・雑貨店等の情報共有ネットワークがあります。

 当薬局を開いた1年目の夏、あまりに仕事の依頼がなくて「このままでは潰れてしまう...…」と焦っていました。往診医に「どなたか患者さんをご紹介いただけないでしょうか」と懇願し、地域につぼみ薬局を知ってもらうためにたチラシをポスティングしていました。この頃だったと思うのですが、ふと「地域内の美容院、特に個人でこじんまりと営んでおられる所を行きつけにしよう!」と考えました。インターネットで美容院を検索し、つぼみ薬局の近くにあって規模が大きくないところをチョイス。美容師さんとはそれからお付き合いが続き、今ではつぼみの患者様です。それと共に、お客さんの中で心配な方を紹介していただく関係になりました。

 同じように、近くの個人経営のスーパーでのお買い物、JA川内店の利用などを続けてきました。そのうちに地域のネットワークへ参加できたようで、健康や薬についての困り事を相談してもらったり、ご近所さんが困っていたら、「つぼみに行って聞いてきんさい」と言ってもらえるように。ご相談内容を地域包括ケアへと繋ぐ役割を担えるようになりました。

 なかなか気遣いが大変な毎日ですが、地域の個人商店ネットワークに受け入れていただけた理由は、"顔が見える存在”でいたことと、 "いつでも対応する"ように心掛けたことではないかと思います。はじめは「在宅専門薬局」を目指して開局しましたが、いきなり「在宅専門」はあり得ないんですね。かかりつけ薬局→在宅でのサポートと移行することによって、患者さんの不安感を和らげ、ご家族に安心感を与えられるのではないでしょうか。

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 個人情報がうんぬん...なんて言っていると連携が取りにくく、かえって民生委員さんとのネットワークが上手く行かない原因にもなっているのかな〜と感じる面も。できることを精一杯していると口コミは面白い程広まります。「人の口には戸が立てられぬ」とはよく言ったもので、広がるのはよい噂とは限りませんので、日々気を引き締めての対応です。個人で営んでいると教えてくださる上司がいないぶん、口うるさいご近所に鍛えられています。

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