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プロバイオティクスってどうよ?

神戸大学微生物感染症学講座感染治療学分野教授 岩田健太郎

2019年01月16日 10:40

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◎この記事のポイント

  • 腸内細菌叢に好影響を与えることを期待し、微生物そのものを投与するプロバイオティクス治療が注目されている
  • しかし、海外で行われたLactobacillusを用いた研究では、小児の急性下痢症に対して効果は見られなかった
  • 他のプロバイオティクスや別の年齢・疾患での臨床試験は(日本で市販されているヨーグルトなどを含め)、非常に少ない
  • プロバイオティクスごとに誰にどんな効果が期待できるか、各論的に吟味しなければならない

研究の背景:注目される腸内微生物とプロバイオティクス治療

 国内外でプロバイオティクスが注目されて久しい。抗菌薬(antibiotics)が菌を殺す薬なのに対して、プロバイオティクス(probiotics)は微生物そのものを投与する。通常は経口投与だ。その微生物が腸内の細菌叢に好影響をもたらし、さまざまな健康上の利益があるのではと言われているのだ。

 そもそも、腸内の微生物そのものが現在注目されている。抗菌薬の乱用で腸内細菌叢のバランスが崩れ、Clostridium difficileのような耐性菌が疾患を起こすことはよく知られている(Clostridium difficile infection, CDI。最近、ClostridiumClostridioidesと改名されたが、まあ面倒なことである)。が、それだけでなく腸内細菌は、健康と多様な疾患に深い関わりがあることが分かってきた。アレルギー疾患、動脈硬化、肥満、がん、不安障害のような精神科疾患・・・。

Lynch SV, Pedersen O. The Human Intestinal Microbiome in Health and Disease. N Engl J Med 2016 ; 375(24):2369-2379)。

 腸内細菌は、健康と疾患に深い関わりがある。プロバイオティクスは腸内細菌にポジティブに作用する(かもしれない)。よって、プロバイオティクスは健康によい。こういうシンプルで、割と説得力がある三段論法が成立する。読者諸氏の中にも、健康増進のためにヨーグルトや乳酸菌飲料を摂取されている方がおいでだろう。

 で、今回注目したのはそのようなプロバイオティクスの一効果である。すなわち、小児の下痢症に対する治療効果だ。

Freedman SB, Williamson-Urquhart S, Farion KJ, Gouin S, Willan AR, Poonai N, et al. Multicenter Trial of a Combination Probiotic for Children with Gastroenteritis. N Engl J Med 2018 ; 379(21):2015-2026.

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