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薬剤師が押さえておきたい健康トピックス(2019年1月前半)

Fizz-DI 児島悠史

2019年01月17日 08:00

2019年1月1日~15日に各メディアで配信された健康情報のうち、「コレは押さえておきたい!」と考えたものを、独断と偏見でリストアップします。患者さんからの突然の質問に困らないよう、情報収集の一手として役立てていただけると幸いです。

インフル治療薬の勢力図変わる?新薬ゾフルーザとは

https://www.asahi.com/articles/ASM125R80LDLUBQU00W.html

【朝日新聞 1月3日】

インフルエンザの流行期に入り、テレビ等でも新薬「ゾフルーザ」の紹介が盛んに行われています。しかし、中には「早く効く」・「他人に伝染させるリスクが少ない」といった、薬の効果をやや拡大解釈した報道もあり、医療現場を混乱させる原因にもなっています。1回服用でよい便利さはありますが、新薬には未知の副作用がつきものであることや値段が高いことのほか、以下のような事実も知った上での情報提供を行う必要があります。

過剰な熱狂のあとには、いずれ「期待通りでなかった」と手のひら返しが起こることがあります。。その際に「薬剤師からウソの情報を教えられた」などと医療批判・否定のネタにされないよう、確認されている事実と、未確認で今後に期待されていることとは、明確に区別しておくことが大切です。

【確認されている事実の一部】


(参考)

『ゾフルーザ』と『タミフル』、同じインフルエンザ治療薬の違いは?~治療効果と服用回数・薬の値段・使用実績

忘れた記憶が「めまい薬」で回復する?認知症治療に光明か

https://www.fnn.jp/posts/00409670HDK

【FNNニュース 1月9日】

めまいの治療に使われるベタヒスチンが記憶力を改善する可能性が報告され、大きく報道されました。しかし、報道の元となった研究で報告されたのは、通常の10倍の量のベタヒスチンを服用した際に記憶テストの正答率がわずかに上がったことから、「記憶回復のメカニズムがわかった」というものです。「めまいの薬を記憶力アップに使おう」と結論づけられたわけではありません。薬についての新しい知見が報道されると、患者の薬識や病識は大きく変化するため、注意が必要です。

※Biological Psychiatry 2018年11月 オンライン版
https://www.biologicalpsychiatryjournal.com/article/S0006-3223(18)32021-3/

【コラムコンセプト】
TV・新聞・週刊誌・インターネット......毎日さまざまなメディアから大量の健康情報が配信されます。それを見た患者さんが「こんな情報を見たけれど、私の治療って大丈夫?」と聞いてきたらどうしますか?医療や薬に関する情報は、命に関わるもの。正確さ、専門性が求められます。薬剤師は薬の専門家として、患者さんの持ち込んだ情報が適切かどうかを判断し、対応しなければなりません。このコラムでは毎月、世間を賑わした健康情報をリストアップし、必要に応じて解説します。患者さんからの突然の質問に困らないよう、情報収集の一手として役立てて頂ければ幸いです。

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【児島 悠史氏 プロフィール】
京都薬科大学大学院修了後、薬局薬剤師として活動。「誤解や偏見によって生まれる悲劇を、正しい情報提供と教育によって防ぎたい」という理念のもと、日々の服薬指導のほか、Webサイト「お薬Q&A~Fizz Drug Information」を運営。医学論文などを情報源とした信頼性のある医療情報や、国民の情報リテラシー向上を目的とする記事を配信。近著は、「薬局ですぐに役立つ薬の比較と使い分け100」。

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