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薬局経営は、時代が求める薬局像の変化を感じながら

2019年01月28日 10:00

薬局経営は、時代が求める薬局像の変化を感じながら

 在宅患者さんのお役に立ちたくて、在宅専門薬局を立ち上げたのが2009年11月。1人薬剤師 兼 ケアマネとして奔走し、在宅活動を通して地域のさまざまな人との繋がりを作ってきました。現在は「街角相談薬局」という立ち位置で頑張っています!

※在宅専門薬局としての活動記はコチラ【まだまだつぼみだけど・・・

つぼみ薬局 角山美穂

 

 

「在宅専門」であった薬局経営を「街角相談」薬局へと、大きくかじを切るきっかけとなったのは、終末期を在宅で過ごした母との経験でした。

 近隣の診療所への通院が難しくなったので、主治医に往診していただくようになりました。同時期に開始した介護サービスの見知らぬ顔に不安そうな表情を浮かべる母を見て、「患者さんはなじみのスタッフに自宅に来てほしいと考えているだろう。そうであれば、同一の薬局・薬剤師が、薬局でのかかりつけから在宅訪問担当へと移行しながら関わり続けるのが、自然な流れになるのでは」と考え、患者さんが気軽に健康相談に訪れる薬局の経営を意識するようになりました。

 これを実行に移すきっかけとなったのは、2017年4月の介護保険法の改正でした。この法改定で、「要支援」者の扱いが、介護保険サービスから「介護予防・日常生活支援総合事業(以下、総合事業)」という自治体ごとのサービスへ移行し、在宅介護サービスの内容がますます複雑となったのです。

 薬剤師としての薬局での処方箋対応、調剤業務と主にケアマネジャーとしての在宅業務、2足のわらじを履いていた私は、平日、薬局の営業時間内にあちこちで行われる研修会への参加が不可能でした。「在宅に関わりたい」と思うものの「無責任な事はできない」と躊躇するジレンマから、委託を受け、ケアプランを立てていた要支援者を法改正前の2017年3月いっぱいで、地域包括支援センターにお返ししました。

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 総合事業とは、「市町村が中心となって、地域の実情に応じて、住民等の多様な主体が参画し、多様なサービスを充実することで、地域の支え合い体制づくりを推進し、要支援者等の方に対する効果的かつ効率的な支援等を可能とすることを目指すもの」(厚生労働省のHPより)。年2~3回参加している『地域ケア会議』も、総合事業の一端になる地域包括ケアの1つに位置付けられている事業です。

 つぼみ薬局は、もともと在宅に特化した薬局を目指してはじめました。その後、薬剤師として、地域の情報交換会や多職種連携研修会へ参加を重ねるうちに、地域の中での立ち位置がぼんやりと分かってきたように感じています。

 地域活動を行っていると、『自助』『共助』『互助』『公助』という言葉をよく聞きます。各種ニュースや自治体などからの便りでも目にすることがありますね。地域包括ケアシステムにおけるそれぞれの言葉の意味は、厚生労働省のHPに示されています。

 簡単に説明すると、下記のように考えられるのではないでしょうか。

◆自助:自分のことを自分ですること

  • ・介護保険・医療保険の自己負担部分
  • ・市場サービスの購入
  • ・自身や家族による対応

◆互助:相互に支え合っていること

  • ・費用負担が制度的に保障されていないボランティアなどの支援、地域住民の取組み

◆共助:介護保険などリスクを共有する仲間(被保険者)の負担

  • ・介護保険・医療保険制度による給付

◆公助:税による公の負担

  • ・介護保険・医療保険の公費(税金) 部分
  • ・自治体等が提供するサービス

 この中で私たち薬局薬剤師は、主に『共助』の役割を担っていますが、地域では『互助』の役割も求められていると強く感じています。

 私が介護支援専門員の資格を取得したのが20年前。そして薬局を開設したのは、もう10年前。薬局薬剤師として、患者さんを思う気持ちは変わりませんが、2025年問題を目前にして薬局の役割は大きく変遷している事を肌で感じています。10年目をどのように過ごそうか...、と今もやはり、手探りの日々を過ごしています。

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【コラムコンセプト】

ケアマネとしても薬剤師としても在宅活動を長く続けてきた筆者が、地域包括ケアの中でどのように薬剤師として貢献していくか、日々のエピソードとともに綴っていきます。

【角山美穂 プロフィール】

2009年11月、「在宅専門薬局」と言う想いでつぼみ薬局を開局。当初は、併設した「つぼみ薬局居宅介護支援事業所」の介護支援専門員として居宅を訪問したり、「つぼみ薬局」の訪問薬剤師として活動。現在は「街角相談薬局」という立ち位置で活動中。

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