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今の時代に面薬局を開設してかかりつけを増やせた理由

2019年02月04日 12:00

今の時代に面薬局を開設してかかりつけを増やせた理由

 在宅患者さんのお役に立ちたくて、在宅専門薬局を立ち上げたのが2009年11月。1人薬剤師 兼 ケアマネとして奔走し、在宅活動を通して地域のさまざまな人とのつながりを作ってきました。現在は「街角相談薬局」という立ち位置で頑張っています!

※在宅専門薬局としての活動記はコチラ【まだまだつぼみだけど・・・

つぼみ薬局 角山美穂

 今回は編集者からご質問をいただいたのでお答えします。


はてなのコメントアイコン素材 3.png門前経営型の薬局が主流であった時代に、面薬局として開業しました。どのようにしてかかりつけの患者さんを増やしていったのでしょうか。

Q & Aのアイコン素材 答え(answer)のコメントアイコン素材 2.pngもちろん、開局当初から患者さんが足繁く通ってくれていたわけではありません。誰も来局せず、このまま薬局がつぶれてしまったらどうしよう…という不安もありました。そこで、「つぼみ薬局を知ってもらわなければならない」と、チラシ(図1)を作成し、薬局の周りの家へポスティングしました。亡母も親戚一同・知人・ご近所へ持ってお願いに回ってくれました。

チラシには、薬の事・健康の事、何でもご相談下さい」と、患者さんの悩みに応えたいという薬局のコンセプトをアピールしました。そのうちに、「ちょっと教えてほしいんだけど…」と相談にみえる方が現れ、「△△さんから、つぼみ薬局さんは親切に教えてくれると聞いた」と口コミで来局される方が増えていきました。そのまま、少しずつ患者さんが増え、10年目を迎えることができたのかなあと思います、ありがたいことです!

【図1】チラシ つぼみ薬局 

22487_fig1.png(著者より提供)

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初めて来る患者さんに必ず聞き取ることは何ですか?かかりつけ化していくと、患者さんから得る情報はどのように変わっていきますか?

Q & Aのアイコン素材 答え(answer)のコメントアイコン素材 2.png 初めての方には、『はじめてつぼみ薬局へ来られた方に』(図2)を記入していただき、誰からつぼみ薬局を紹介してもらったかも聞くようにしています。患者さん同士の関係図を作ると、人のつながりが実感できるのです。子供が小さい頃、授業参観で「3人の知り合いがいると、世界中の人とつながる」と聞き、「いやいや~、そんなことはないだろう」と思っていましたが、今はこれを痛感しています。悪いことはできませんね。

 また、来局回数を重ねるうちに、患者さんはご家族の事、病歴など、自ら話すようになってきます。雑談で聞いたことでも薬歴簿に記入しておきます。それを次回以降の話題に挙げると、「覚えていてくれたんじゃね~」と喜んでいただくことがあります。こうした積み重ねで、信頼関係を築いてきたのかなあと、思っています。

図2 問診票「初めてつぼみ薬局に来られた方に」

22487_fig2.png(著者より提供)
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 患者さんとの雑談と言えば、先日こんなことがありました。

 近隣で話題になっている高額な『電気治療器』のお試し治療に何度も足を運んでいたAさん

「ものすごい電流が流れているんだから効き目があるんだと購入した人もいるが、私には効かん」と施術帰りに来局されました。

「Aさんはカテーテル治療を受けたことがあると、以前言っていましたね。循環器の医師には電気治療器のことを相談していますか?心臓は電気信号で動く臓器なんですよ」と伝えると、Aさんの顔はみるみる青くなっていきます。そして、「わし、これからは何でもここで相談してからにするわ」と、言っていただきました。

 

 また、近所に住む独居のBさんは、高価な健康食品「オルニチン」をテレビショッピングで購入する契約をしたといいます。その話を聞き、薬局に置いてある『健康食品・サプリメントの全て(ナチュラルメディシン・データベース)』で調べると、服薬中の薬との飲み合わせも効果も不明。Bさんには、クーリングオフを勧めました。

 このように、相談を受けると、調べてアドバイスを行います。するとまた、別の話を持ってくるので答えます。そうするうちに、あれもこれもと、皆さんいろいろな相談を持って来局されます。相談に持ち込まれるのは処方箋に関することだけではありません。中には回答にお時間をいただいたり、その場で上手く対応できなかったと思うこともありますが、 幸いなことに、ほとんど皆さん、私(当薬局)を選んで来ていただいているので、今のところクレームはゼロです。

 この頃、「ここに来ると、自分の健康の歴史が何でも分かる」といった患者さんの言葉をよく耳にします。薬歴には病歴、通院歴やその時の患者さんの心境なども記録しており、時折患者さんの現在の健康状態と比較して治療効果を測ったりしているのです。

【コラムコンセプト】

ケアマネとしても薬剤師としても在宅活動を長く続けてきた筆者が、地域包括ケアの中でどのように薬剤師として貢献していくか、日々のエピソードとともに綴っていきます。

【角山美穂 プロフィール】

2009年11月、「在宅専門薬局」と言う想いでつぼみ薬局を開局。当初は、併設した「つぼみ薬局居宅介護支援事業所」の介護支援専門員として居宅を訪問したり、「つぼみ薬局」の訪問薬剤師として活動。現在は「街角相談薬局」という立ち位置で活動中。

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