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薬剤師が押さえておきたい健康トピックス(2019年1月後半)

Fizz-DI 児島悠史

2019年02月05日 08:00

2019年1月16日~31日に各メディアで配信された健康情報のうち、「コレは押さえておきたい!」と考えたものを、独断と偏見でリストアップします。患者さんからの突然の質問に困らないよう、情報収集の一手として役立てていただけると幸いです。

インフル新薬「ゾフルーザ」採用を見送った病院もあった

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/246320

【日刊ゲンダイ 1月27日】

新しいインフルエンザ治療薬『ゾフルーザ(一般名:バロキサビル)』がメディアを賑わせていますが、早くも「耐性ウイルス検出」といったネガティブな話題も報道され始めています。既存薬と比べて、効果は同等なのに薬が高額であること、さらに耐性ウイルスが発現しやすい可能性があることは、発売当初から専門家によって何度も指摘されていました。特に、早期から耐性を広げてしまうことは、今後の薬の可能性を潰す要因にもなってしまいます。こうした観点から、昨年11月の段階でゾフルーザの採用を見送っていた病院があったことは、薬剤師も知っておくべきです。


(参考)

◆亀田メディカルセンター/亀田総合病院 感染症科 「ゾフルーザ採用見送り」http://www.kameda.com/pr/infectious_disease/post_140.html

インフル「治癒証明」の代わりに「受診報告書」 保護者らの負担軽減 那須郡市医師会

https://www.shimotsuke.co.jp/articles/-/126178

【下野新聞 1月26日】

インフルエンザの治癒証明は、厚生労働省も「一律に求める必要はない」と言及しているものの、未だに多くの学校や企業が提出を求めており、医療現場や保護者の負担になっています。そんな中、那須郡市の医師会が治癒証明のために再受診する必要がない受診報告書を使った取り組みを始めています。このような、患者・医療機関の負担を減らす活動は全国に広がってほしいと思います。

瑞穂市で保育士はしか発症 乳幼児感染確認されず

https://www.gifu-np.co.jp/news/20190123/20190123-108058.html

【岐阜新聞 1月23日】

岐阜県で保育士がはしか(麻疹)を発症したものの、勤務先に所属する乳幼児197人(うち194人がワクチン接種済)に感染は確認されなかったことが報道されました。はしか(麻疹)には危険な合併症もあり、先進国であっても1,000人に1人の割合で死亡することがあります。油断できない感染症ですが、今回のようにワクチン接種をしていれば感染・発症を防ぐことができますので、薬剤師も予防の大切さを広く啓発していくことが大切です。


(参考)

◆国立感染症研究所「麻疹とは」
https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/518-measles.html

  

【コラムコンセプト】
TV・新聞・週刊誌・インターネット......毎日さまざまなメディアから大量の健康情報が配信されます。それを見た患者さんが「こんな情報を見たけれど、私の治療って大丈夫?」と聞いてきたらどうしますか?医療や薬に関する情報は、命に関わるもの。正確さ、専門性が求められます。薬剤師は薬の専門家として、患者さんの持ち込んだ情報が適切かどうかを判断し、対応しなければなりません。このコラムでは毎月、世間を賑わした健康情報をリストアップし、必要に応じて解説します。患者さんからの突然の質問に困らないよう、情報収集の一手として役立てて頂ければ幸いです。

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【児島 悠史氏 プロフィール】
京都薬科大学大学院修了後、薬局薬剤師として活動。「誤解や偏見によって生まれる悲劇を、正しい情報提供と教育によって防ぎたい」という理念のもと、日々の服薬指導のほか、Webサイト「お薬Q&A~Fizz Drug Information」を運営。医学論文などを情報源とした信頼性のある医療情報や、国民の情報リテラシー向上を目的とする記事を配信。近著は、「薬局ですぐに役立つ薬の比較と使い分け100」。

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