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薬剤師が押さえておきたい健康トピックス(2019年3月前半)

Fizz-DI 児島悠史

2019年03月17日 08:00

2019年3月1日~15日に各メディアで配信された健康情報のうち、「コレは押さえておきたい!」と考えたものを、独断と偏見でリストアップします。患者さんからの突然の質問に困らないよう、情報収集の一手として役立てていただけると幸いです。

「回復を応援できる社会を」 薬物依存症の専門家 松本俊彦さんのメッセージ

https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/odekiruonosannomessezi

【BuzzFeedNews 3月13日】

有名人の薬物摂取が明らかになると、テレビなどのマスメディアではさまざまな憶測が飛び交います。その結果、薬物や依存症に対する正しい理解が促されるよりも、薬物への興味を煽ったり、薬物依存に対する誤解や偏見を助長したりてしまうことも少なくありません。薬剤師は薬の専門家として、薬物に対する報道が内包する問題を真剣に考えていく必要があります。


(参考)

薬物報道ガイドライン (特定非営利活動法人アスク)

ゾフルーザ耐性ウイルス、他人に感染?未使用者で検出

https://www.asahi.com/articles/ASM3F2GJTM3FUBQU006.html

【朝日新聞デジタル 3月13日】

国立感染症研究所は、新薬『ゾフルーザ(一般名:バロキサビル)』に耐性を持つA香港型ウイルスが、薬を使用していない小児患者から検出されたことを発表しました。『ゾフルーザ』は発売当初から、既存薬と比べて治療効果が特に高いわけではないこと、耐性化のリスクを孕んでいることが指摘されてきましたが、服薬の便利さから昨年10月から今年1月にかけておよそ550万人分が供給されています。便利さと効果・リスクの評価は冷静に行うことが大切です。

シール売買に対策要請 かかりつけ薬剤師研修で

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO42000320U9A300C1CR8000/

【日本経済新聞 3月15日】

薬剤師が研修を受講した証として交付されるシールが、インターネットのオークションサイトなどで売買されていることが、インターネットだけでなく、新聞やテレビなどのメディアでも報道されました。そもそも薬剤師が研修を受け勉強するのは、より良い医療を提供するためです。こうした報道によって、薬剤師の研修が「かかりつけ薬剤師」の契約をとるためのものと印象付けられてしまうことには問題があると思います。

(参考)

◆薬剤師法 第一条
薬剤師は、調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによつて、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとする。

  

【コラムコンセプト】
TV・新聞・週刊誌・インターネット......毎日さまざまなメディアから大量の健康情報が配信されます。それを見た患者さんが「こんな情報を見たけれど、私の治療って大丈夫?」と聞いてきたらどうしますか?医療や薬に関する情報は、命に関わるもの。正確さ、専門性が求められます。薬剤師は薬の専門家として、患者さんの持ち込んだ情報が適切かどうかを判断し、対応しなければなりません。このコラムでは毎月、世間を賑わした健康情報をリストアップし、必要に応じて解説します。患者さんからの突然の質問に困らないよう、情報収集の一手として役立てて頂ければ幸いです。

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【児島 悠史氏 プロフィール】
京都薬科大学大学院修了後、薬局薬剤師として活動。「誤解や偏見によって生まれる悲劇を、正しい情報提供と教育によって防ぎたい」という理念のもと、日々の服薬指導のほか、Webサイト「お薬Q&A~Fizz Drug Information」を運営。医学論文などを情報源とした信頼性のある医療情報や、国民の情報リテラシー向上を目的とする記事を配信。近著は、「薬局ですぐに役立つ薬の比較と使い分け100」。

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