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薬剤師が押さえておきたい健康トピックス(2019年4月)

Fizz-DI 児島悠史

2019年05月07日 13:00

2019年4月1日~30日に各メディアで配信された健康情報のうち、「コレは押さえておきたい!」と考えたものを、独断と偏見でリストアップします。患者さんからの突然の質問に困らないよう、情報収集の一手として役立てていただけると幸いです。

世界のはしか感染者、1~3月で前年の300%増 WHO

https://www.afpbb.com/articles/-/3220945

【AFP BB NEWS 4月16日】

麻疹が世界でも流行しています。麻疹は非常に感染力の強いウイルス性疾患ですが、2回のワクチン接種でほぼ確実に予防できます。ところが、近年はSNSなどで広がる「反ワクチン運動」の影響もあり、ワクチン接種率が低下していることが指摘されています。日本のFacebookやTwitter、Instagramでも「ワクチンの断り方」や「ワクチンの罠」といった投稿は多く、ユーザーが誤った情報や極端な意見を目にしてしまう機会は少なくないことに注意が必要です。


(参考)

◆麻疹の自然感染とワクチン接種のリスク比較
016 麻疹の自然感染とワクチン.png

https://www.instagram.com/p/BuLahymHlG6/
https://twitter.com/Fizz_DI/status/1098872409128464384

勃起不全薬の成分5倍弱=健康被害の恐れ

https://www.jiji.com/jc/article?k=2019040501018&g=soc

【時事ドットコムニュース 4月5日】

ネット販売されている健康食品から、勃起不全薬タダラフィルの成分が検出され、使用中止の呼びかけが行われています。検出された量も1パックあたり95~96mgと、治療用量(5~20mg)を5倍近く上回る量とされ、健康被害へのリスクが指摘されています。タダラフィルを健康な人が過剰摂取した場合、不可逆的な障害を起こす可能性は高くありませんが、もともと心血管・脳血管系の疾患を持つ人には、タダラフィルは禁忌の薬です。

※タダラフィル過量摂取時の影響 (シアリス錠インタビューフォーム)
500mg単回投与した際の副作用は、20mg以下の用量で認められた副作用の種類(頭痛、背部痛、消化不良、潮紅、筋痛等)と同様


(参考)

◆2019年2月にも、健康食品にタダラフィルの成分が混入していた事例が報告されています
https://www.asahi.com/articles/ASM2P3HPGM2PUBQU003.html

製造段階で禁止物質混入 沢井製薬など注意呼び掛け

https://www.sankei.com/sports/news/190419/spo1904190035-n1.html

【産経新聞 4月19日】

レスリングの全国大会におけるドーピング検査がきっかけで、沢井製薬の胃薬エカベトNa顆粒に微量ながら禁止薬物の「アセタゾラミド」が混入していることが明らかになりました。当該選手に対する資格停止処分は取り消されていますが、今回の事例で問題なのは、サプリメントや健康食品ではなく、国内で製造された医薬品に本来は含まれないはずの禁止薬物が混入していたことで、薬剤師が十分に注意していたとしても回避が極めて困難だという点です。

インフルエンザ患者報告数、33都道府県で増加 B型の流行が影響か

https://www.cbnews.jp/news/entry/20190419151213

【CBnews 4月19日】

インフルエンザといえば冬に流行するものというイメージが強いですが、今年はB型の流行によって4月の後半になっても患者数の増加が報告されています。全国で学級閉鎖も相次いでいること、大型連休で人の動きも活発であったことから、まだしばらくは感染拡大の防止や適切な解熱鎮痛薬の選択など、インフルエンザの可能性も踏まえた警戒が必要です。


(参考)

◆国立感染症研究所「インフルエンザ流行レベルマップ」
https://www.niid.go.jp/niid/ja/flu-map.html

【コラムコンセプト】
TV・新聞・週刊誌・インターネット......毎日さまざまなメディアから大量の健康情報が配信されます。それを見た患者さんが「こんな情報を見たけれど、私の治療って大丈夫?」と聞いてきたらどうしますか?医療や薬に関する情報は、命に関わるもの。正確さ、専門性が求められます。薬剤師は薬の専門家として、患者さんの持ち込んだ情報が適切かどうかを判断し、対応しなければなりません。このコラムでは毎月、世間を賑わした健康情報をリストアップし、必要に応じて解説します。患者さんからの突然の質問に困らないよう、情報収集の一手として役立てて頂ければ幸いです。

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【児島 悠史氏 プロフィール】
京都薬科大学大学院修了後、薬局薬剤師として活動。「誤解や偏見によって生まれる悲劇を、正しい情報提供と教育によって防ぎたい」という理念のもと、日々の服薬指導のほか、Webサイト「お薬Q&A~Fizz Drug Information」を運営。医学論文などを情報源とした信頼性のある医療情報や、国民の情報リテラシー向上を目的とする記事を配信。近著は、「薬局ですぐに役立つ薬の比較と使い分け100」。

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