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世界で4人に1人が結核菌に感染

COPD治療のマイルストーンFULFIL試験

2019年07月29日 08:00

国立病院機構近畿中央呼吸器センター内科
倉原 優

◎この記事のポイント

  • 研究の背景:結核流行の終息にはLTBI対策が必要
  • 研究のポイント:ツベルクリン検査もIGRAも同等の陽性率
  • 私の考察:高齢者で起こる不一致という別問題もある

研究の背景:結核流行の終息にはLTBI対策が必要

 潜在性結核感染症(LTBI)とは、「結核菌に感染しているが発病していない状態」を指す。多くの感染症は感染すると発病に至るが、結核に関しては感染しても約1割の患者しか発病に至らず、生涯結核菌を封じ込めたまま天寿を全うする。

 しかし、関節リウマチに対する生物学的製剤など、免疫を調整する薬剤が出現してからというもの、また日本の高齢化率が上昇しつつある現状から、LTBIへの対応はプライマリケアの現場でも求められることが増えてきた。

 LTBIの集団では、約5〜15%が活動性結核を発病すると考えられており、世界的には3人に1人がLTBIに該当すると試算されてきた(Arch Intern Med 2003;163:1009-1021)。最新の報告では4人に1人程度(約17億人)と見積もられている(WHO Global tuberculosis report 2018)。もちろん、アフリカなどの発展途上国ではLTBIの有病率は高くなり、ウガンダや南アフリカに至ってはその頻度は約半数と考えられている(Int J Tuberc Lung Dis 2011;15:331-336BMC Infect Dis 2015;15:165)。

 世界保健機関(WHO)は「世界結核終息戦略(End TB Strategy)」を掲げ、2035年までに結核流行を終焉させることを目標としている。しかし、いくら活動性結核を治療しても、水面下に存在する多数のLTBI患者からの発病を抑制しなければ、結核感染症を終息させることはできない

 今回紹介するシステマチックレビューおよびメタ解析は、世界人口におけるLTBIの有病率を推定したものである(Eur Respir J 2019年6月20日オンライン版)。

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