「アカデミック・ディテーリング(Academic Detailing)」とは、商業ベースにとらわれず、科学的根拠に基づく公正中立な医薬品情報を医師に提供することである。物理や化学、薬物動態などの基礎的な知識を臨床の現場に生かし、薬物治療の質や経済性の向上を目指す。海外では既に浸透しており、日本でも2017年に、東京理科大学が文部科学省科学研究費採択事業としてアカデミック・ディテーラー養成プログラムを開始している。プログラム第1期生で総合相模更生病院(相模原市)薬剤部の佐々木優氏は、第5回日本医薬品安全性学会(7月27~28日)で同院におけるアカデミック・ディテーリング活用例を紹介し、有用性について報告した。
◎この記事のポイント
- アカデミック・ディテーリングを現場で生かす
1. 薬効薬理に関する情報に基づき不眠を回避した症例
2. 製剤特性に関する情報に基づき調整方法を変更した例
3. 薬物の化学的構造の違いに関する情報を用いた情報提供の例