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薬剤師はほぼゼロ?テクニシャンで回す病院の薬局

2019年09月18日 08:00

カナダで働く薬剤師 青山慎平

 

 

 カナダ薬剤師の青山です。

 今回はカナダの病院薬剤師について紹介します。カナダでは、病院薬剤師といえば、エリート。私も以前から、カナダの病院薬剤師になりたいと切望しており、そのチャンスを窺っています。

map_canada3.png

 先日、ブリティッシュコロンビア州、Chilliwack(チリワック)にあるChilliwack General Hospital(チリワック総合病院)を見学する機会がありました。SNSを通じて知り合った薬剤師のジェイソン(仮名)に案内を依頼し、病院薬剤師の仕事内容を学ばせてもらったのです。その経験や、カナダの病院薬剤師の業務について紹介します。

 先に簡単に、カナダの医薬分業について紹介しておきます。外来患者は基本、院外処方箋です。院内で調剤する場合もありますが、それは病院でしか出せないような抗生剤の注射剤などが主です。

 カナダでは面分業が進んでいるため、病院で出た処方せんは基本的に、町の面薬局に持ち込まれます。「門前薬局」や「敷地内薬局」といった概念は存在しません。病院の建物の中にある薬局は、日本の病院における薬剤部と同様の業務を行っていると考えてよいでしょう。例えば、DI業務は病院薬剤師の仕事です。

 入院患者の薬も、入院初日は院内で作りますが、2日目以降は中央センターで作り、運んできます。抗がん剤の調剤や無菌混合などは院内で行っているようです。

葉っぱのアイコン (1).pngセキュリティの厳重な院内薬局

 チリワック総合病院薬剤師のジェイソン(仮名)とは、彼が働く薬局(病院薬剤部)の前で会う約束をしていました。

 約束時間の5分前に到着した私は、カナダの薬局の厳重な管理体制に少し圧倒されていました。とは言っても、その時点で私が見ていたのは薬局と廊下をしきるドアのみです。金属製で非常に分厚く、タッチパネルでパスコードを入力しないと中に入ることができないようでした。

 どうしようか悩んでいたところ、薬局側から声が聞こえました。

 ジェイソン「ヘイ。シンペイ。 グラッド トゥ シーユー(会えて嬉しいよ) プリーズ、カモンイン」

 そうして、私はチリワック総合病院の薬局の中に足を踏み入れました。

 チリワック01.pngチリワックはブリティッシュコロンビア州で7番目の都市である。バンクーバーから車で東に1時間ほどの距離にある。写真はダウンタウンでの1枚。周りを山や湖で囲まれており、ハイキングや乗馬、キャンプなど、アウトドアのアクティビティが楽しめる。

葉っぱのアイコン (1).png薬剤師はほぼゼロ??テクニシャンだけで回す薬局

 チリワック総合病院の薬局には、スタッフメンバーが30人ほどいます。

 そのうち薬剤師は8人で、残りは全員テクニシャンです。

 8人の薬剤師のうち薬局内で働く薬剤師は実質2人。あとの6人は薬局にいません(その理由は後で説明します)。

 テクニシャンに比べて薬剤師の数があまりにも少ないと感じ、ジェイソンに聞いてみました。

 私「薬剤師はどこにいるの?薬剤師はテクニシャンを手伝わないの?」

 ジェイソン「薬剤師は別の場所にいるんだ。薬局が本当に忙しいときだけ、手伝うよ。普段、この薬局の業務のほとんどは、テクニシャンに任せている。僕ら薬剤師は、テクニシャンを信頼しているからね」

 私は、薬局に薬剤師の全くいない風景に少し、寂しさを感じました。薬剤師のいない薬局って、果たしてどうなのだろうか?

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